授業参観【3年古典】

 白状すると、「古典」は大の苦手でした(他教科もですが...)。ところが授業で扱う「蜻蛉日記」は平安時代の作品でありながら、藤原道綱母の心中を思いやると、居ても立ってもいられません。「兼家の奴め、道綱母を悲しませやがって! これだからボンボンはアカン!」と興奮しながら読み進めます。1,2年生の皆さん、お楽しみに。

大阪府立泉陽高等学校 校長 栗山 悟

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※蜻蛉日記(『日本大百科全書』から一部抜粋)

 摂関家の御曹司の兼家から求婚された道綱母が、大きな期待に心をはずませて結婚し、翌年兼家の次男の道綱を生んだが、兼家の以前からの妻や、次々と新しく現れてくる妻たちのなかにあって、夫の足が遠ざかることによる悲哀や、望んでいたような身の上が実現しない嘆きなどを繰り返すうちに、ついに兼家が通わなくなって、夫婦関係が絶えるまでの結婚生活を記している。夫の兼家が多くの妻を持ち、自分を訪れることが絶えたのを強く非難する記事が多く、当時の貴族社会における一夫多婦制の婚姻制度のもとで、弱者としての妻の立場から夫婦関係を描いたものである。また一面では、社会生活の場を持たない貴族女性が、身分の高い男性と結婚することで、その社会的地位の向上を求めようとしたが、期待通りには実現しなかった残念さを書いた、という性格をももっている。