本日9月7日(日)岸和田市立産業高校において、硬式野球部が令和7年度秋季近畿地区高校野球大会大阪府予選の初戦、府立港高等学校との試合を行いました。1,2年生のみの新チームとなって初めての公式戦です。
私が試合開始予定時刻の12:10少し前にグランドに到着すると、ちょうど今から試合が始まろうとするところでした。本日は9月の秋季大会とは思えない真夏の暑さでしたが、保護者の方をはじめ、両校の関係者がたくさん応援に来られていました。改めて、本校硬式野球部の応援に来ていただいた皆様方に感謝申し上げます。
最初に結果をお伝えします。8対8で延長となり、10回表に1点を取り、裏の攻撃を何とか0点に抑えた本校が勝利しました。遠くから見ている私にとってもしんどい試合でした。ベンチで戦っている生徒や教員にとっては、その何倍も苦しい思いをしたのではないかと考えます。それだけに、チームにとって克服すべき課題が多く見つかった試合であったと思います。
今回は勝利したこともあり、少しでも今後の試合につなげてほしいとの願いから、やや厳しい評価にはなりますが、私自身がその都度、感じたことをストレートに書きます。
本校は先攻でした。1回表の攻撃は、三振、センターフライ、三振の三者凡退に抑えられました。相手投手は右投げのオーバースローで、ストレートとスライダーを投げ、特に三振に取られた打者の様子を見ていると、スライダーは切れがあるように感じました。この時点で、接戦になるだろうという予感はありました。
1回裏の守備では、先頭打者をフォアボールで出した後、送りバントがフライとなりアウトに、そして三振を取りました。これですんなり終わりたかったのですが、1塁への牽制球がボークをとられ2塁へ。さらにフォアボール、フォアボールで満塁に。その後、左打者に何球も粘られた後、高めの球をレフト線に流され二塁打を打たれ、3点を先取されました。次の打者はセカンドフライに抑えましたが、ヒット1本で3点を取られるという厳しい立ち上がりとなりました。本校のエースナンバーをつけた左投げの投手は、立ち上がりであり、初戦の緊張もあったのか、球が全体に高く、コントロールに苦しみました。
2回表の攻撃では、ファーストのエラーで出塁の後、フォアボールで1,2塁に。送りバントで2,3塁とした後、セカンドゴロで1点返しました。その後もフォアボールで満塁としましたが、三振に取られました。ただ、3点取られた次の回に1点でも返せたのは大きいなと感じました。
2回裏の守備では、ファーストフライ、三振、レフトフライの三者凡退に抑えました。投手は初回に3点取られて開き直れたのか、2回に入り、しっかりと腕を振れる思いきりがでて、普段の投球になったのだろうと感じました。少し安心したところで、あとはしっかりと打って追いつてもらいたいと願っていました。
3回表の攻撃では、先頭打者がフォアボールで出塁し、バントで2塁に送りましたが、ピッチャーゴロ、セカンドゴロに抑えられました。タイムリーが欲しかったですが、なかなかよい当たりが出ませんでした。
3回裏の守備では、サードゴロ、センターフライで2アウトを取った後、レフト前ヒット、フォアボールの後、ワイルドピッチで2,3塁まですすめてしまいましたが、次の打者をショートゴロに抑え、何とかピンチを切り抜けました。
4回表の攻撃では、セカンドのエラーで出塁し、盗塁しました。その後、ショートゴロをはじいている間に3塁にすすんだセカンドランナーがオーバーランでタッチアウトに、その間に2塁を狙ったバッターランナーが2塁ベース上でタッチアウトにという変速な形でのダブルプレーになりました。その後は三振に取られました。チャンスはつくるものの、それを活かすことができず、イライラする展開でした。
4回裏の守備では、サードゴロの後、レフトのエラーにより出塁を許しましたが、相手のスリーバント失敗とライトフライで抑えました。
5回表の攻撃では、ファーストフライ、セカンドゴロの後、センター前ヒットで出塁しましたが、盗塁失敗で3アウトとなりました。
5回裏の守備から、背番号8番をつけた右オーバースローの投手に交代しました。先頭打者をピッチャーライナーに打ち取った後、デッドボールを与えてしまいました。その後、三振を取りましたが、盗塁され、センター前ヒットで1点を奪われました。送球の間にバッターランナーも2塁に。その後もショート内野安打とフォアボールで満塁となりましたが、何とかショートフライに打ち取りました。この回から交代した投手は早い球は投げるのですが、細かなコントロールと一本調子であることに課題を感じました。
3対1の後、どちらが先に点を入れるかで試合が大きく傾くだろうと考えていましたので、この回の1点がこの後の展開に響かなければよいなと感じていました。
6回表の攻撃では、セーフティーバントが成功、レフト前ヒットと続いた後、セカンドゴロで1,3塁に。その後、センター前ヒットで1点を返し、なお、サード内野安打で満塁にしました。ここで一気に追いつき、追い越したかったのですが、三振、三振と抑えられ、結局1点に終わってしまいました。チャンスでの三振は何も起こらないので、何とかバットに当てて欲しかったです。
6回裏の守備では、フォアボールを出し、送りバントで2塁へ、さらに牽制悪送球で3塁へ。その後、センター前ヒットで1点取られてしまいました。次の打者はレフトライナーで飛び出した1塁ランナーが戻れずダブルプレーを取りました。こちらが1点取ったすぐ後の1点だっただけに、ここまではまだ相手チームに流れがある状況が続いていました。
7回表の攻撃では、センター前ヒット、送りバントをサードがエラーし、1,2塁の後、送りバントが3塁ホースアウトとなりましたが、フォアボールで1アウト満塁のチャンスに。その後、ショート内野安打で1点、さらにレフト前ヒットで2点を取り、ようやく待望の同点に追いつきました。
なおもショートへの内野安打で満塁にした後、次の打者がレフトオーバーの走者一掃二塁打を放ち、この回だけで6点を奪いました。その後は三振、ワイルドピッチで3塁へすすみましたが、次の打者も三振に取られました。この回はここまでのイライラを吹き飛ばしてくれる素晴らしい攻撃になりました。同点に追いついた時点で流れは一気にこちらに傾いたように感じました。おそらく、この回はチームの雰囲気もがらりと変わり、一人ひとりが前向きな気持ちになれたのではないかと思います。
7回裏の守備は、ショートゴロ、三振、ファーストゴロの三者凡退に抑えました。この回を見て、完全に試合の流れはこちらに来たなと感じられました。
8回表の攻撃では、ライト前ヒットの後、バントヒットで1,2塁に。送りバントで2,3塁にしましたが、ファーストゴロでサードランナーがタッチアウトに。次の打者もセカンドゴロに打ち取られました。この回大きなチャンスをつくっただけに、試合を決定づけるためにも、1点欲しかったところです。とはいえ、この時点で3点の差があったので、正直、何とか逃げ切ることはできるかなと甘いことを考えていました。
8回裏の守備では、フォアボールの後、送りバントで2塁に。ワイルドピッチで3塁へ。またフォアボールを与えた後、盗塁で2,3塁に。その後、ファーストゴロで1点を取られました。次の打者は何とか、よい当たりのショートライナーに終わりましたが、ヒットなしでの得点はいやな感じでした。特に先頭打者のフォアボールは点につながりやすいので避けたかったところです。
9回表の攻撃では、サードのエラーで出塁しましたが、スリーバント失敗。次の打者は送りバントを成功させましたが、結局、ファーストゴロに終わりました。
いよいよ2点差で9回裏の守備につきました。先頭打者をセカンドゴロに打ち取り、このまま逃げ切れるかと思いましたが、ここでライトがエラーをし2塁へ。その後、レフト前ヒットで1点を取られた上に、またもバッターランナーに2塁まで行かれてしまいました。次打者は初回に打たれた左打者でしたが、初回と同じようにレフト線に二塁打を打たれ、同点に追いつかれてしまいました。
まだ1アウト2塁で逆にサヨナラ負けの危機を迎える展開となりました。申告敬遠の後、三振を取りました。ワイルドピッチで2,3塁にしましたが、最後はショートゴロに打ち取り、何とか延長戦に持ち込むことができました。
8対8となり9回で決着がつかず、10回からは延長タイブレークでノーアウト1,2塁からの攻撃になります。
10回表の攻撃では、送りバントを相手のエラーで満塁に。次打者のセカンドゴロで1点を取り、まだ2,3塁でしたが、三振、ショートゴロで結局、1点しか取れずに終わってしまいました。ここでも、三振してしまいました。
10回裏の守備では、背番号1番の先発投手が再びマウンドに上がりました。ショートゴロで併殺崩れのバッターランナーをタッチアウトにし、2アウト3塁となりました。いわゆる「あと1人」の状況を迎えました。次打者がファーストファウルフライを打ち上げ、これで勝ったと思いましたが、ファーストが落球していまいました。いやな雰囲気の中、投手は落ち着いた投球で打者を打ち取り、9対8で勝利しました。
12:10頃に開始され、終了したのは3時になろうかというとても長い試合でした。最初にも書きましたが、振り返り、反省すべきことの多い試合だったと思います。今回は何とか勝つことができましたが、この試合で負けていたら、悔やんでも悔やみきれなかったと思います。
どれだけ無駄な点を与えてしまったのか、フォアボールやエラー、ワイルドピッチなどがどれだけ点に結びついたのかを考えてみてください。また、これだけ多くの回でチャンスがあったにもかかわらず、なぜ0点または1点であったのか、重要なところでの三振、ミスともいえる走塁などについても振り返ってみてください。
私自身も高校野球に長く関わってきたので、試合の流れが行ったり来たりという試合は何度も経験してきました。ただ、この不安定さを無くさなければ、いわゆる「強いチーム」には勝つことはできません。強いと言われるチームは隙を見せないからです。
どうしても心が動揺すると、プレーにも影響してしまいがちですが、そのようなことのないよう自信をつけていかなければなりません。立ち上がりやピンチの場面だけではなく、チャンスの場面ですら、プレッシャーになっているということはありませんか。こうした経験は野球においてだけではなく、どのような場面でも同じことが言えますので、自分自身を高め、成長させるためにも、常に自分自身の実力が発揮できるためにはどうすればよいのか日頃から意識的に取り組んでもらいたいです。
次の試合は今週の土曜日、13日に府立寝屋川高校との試合が予定されています。しっかりと本日の試合を振り返り、反省したことを繰り返すことのないようにしてもらいたいと願っています。新チームとして初めての公式戦でこれだけ強く印象に残る試合を体験できたことを幸せに感じながら、次の試合ではその体験から得た経験を成果として見せてもらいたいと思います。期待しています。
最後に。このブログで書いているエラーやヒットは私の見立てであり、公式の記録とは異なることがあると思います。ご了承ください。