「課題研究計画発表会」を実施

 昨日、5月15日(木)6限、2年生「文理課題研究」の研究計画発表会を実施しました。今年度研究活動に取り組んでいる2年生(研究グループ・個人)が研究テーマとそのテーマにした動機や研究の目的、研究手法を含めた研究計画や今後の展望などについて、1年生と3年生に対して発表しました。

 本発表会実施の目的は、2年生にとっては自らの研究内容を改めて整理し、今後の研究活動の方針を1,3年生に発表することで、研究活動を計画的にすすめることにあります。また、1,3年生からの質問により、自分たちの気づいていない視点を認識するとともに、3年生からのアドバイスを今後の研究活動に活かすことも目的としています。

 1年生にとっては2年生の発表を聴くことで、課題研究とはどのようなものかをイメージし、その意義を理解するとともに、今後、研究テーマを決定していく上での参考にしてもらいたいと考えています。また、3年生には昨年度取り組んだ研究活動の経験を活かし、2年生に対して指導・助言、アドバイスしてくれることを期待しています。また、そのことを通して、昨年度の自分たちの研究活動を振り返るとともに、これから行う論文作成にも役立ててもらいたいという願いもあります。

 本校では、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)第Ⅲ期の研究開発テーマ「縦割り型課題研究」に基づく取組の一つとして、昨年度から1~3年次の学校設定科目を木曜6限に同時展開し、学年を超えた生徒どうしの「縦のつながり」を強化しています。今回の取組のように、すべての学年・生徒が繋がる機会を積極的に設けることによって、生徒どうしが学年の枠を超え、課題研究の意義や課題研究による自身の成長を伝えるとともに、研究手法をはじめとした研究のノウハウ、また研究内容などを継承していく環境整備に努めています。

 「縦割り型課題研究」をすすめるため、生徒たちの興味・関心(研究テーマの内容)により、すべての生徒を「数理・自然科学」、「情報・芸術」、「地域・健康」、「社会・異文化」、「人文・人間」の5つの学域に分け、それらの学域の中で学年を超え、互いに学び合う環境を構築しています。当日は学域ごとに、36の教室に各学年10名前後の生徒が集まり、2年生の2~3のグループ(個人を含む)が発表を行い、その発表に対する質疑応答や意見交換を行いました。

 私は「数理・自然科学」の生徒が集まる生物実験室で発表を聞きました。生物実験室には1年生7名、2年生4名、3年生7名が集まりました。最初に女子3名による「廃棄される野菜や果物の活用方法」を研究テーマとした発表がありました。野菜や果物は生ごみとして廃棄される割合が高く、それを有効に活用できないかというのがこの研究テーマとした動機でした。研究方法などについて検討した結果、化粧品、特に今回はリップとして活用できるのではないかとの仮説を立て、その保湿効果について実際に実験を行い検証しようという計画でした。話しの展開にやや飛躍を感じたり、その実験方法で明確な根拠、データをとることはできるのかという疑問を抱いたりしましたが、まずは今回の計画に基づき取組をすすめながら改良していってもらえればと思いました。

 次に、男子1名による「機能性食品の開発」を研究テーマとした発表がありました。すでに1年生の時から研究活動に取り組んでおり、まさしく中間発表といった内容でした。1年次に行った研究は、水ではなく緑茶を使った水耕栽培の効能を調べようというものでした。その研究を継承しながら、今後はタンニン鉄緑茶を使うことにより、鉄分を多く含むネギを栽培しようと考えているとのことでした。そして、鉄分を多く含むことを検証するために、フェナントロリン比色法を使うとのことでした。発表の途中から、その方法についての話しになったため、本人がよく理解していることは分かりましたが、少なくとも私は全くついていけず、ずっと???でした。生徒の意欲の高さと知識の深さに驚くとともに、熱心にその方法を説明している姿に感心したところです。

 2年生4名の皆さん、発表お疲れ様でした。私自身は高校生が行う課題研究ですので、研究としての「価値」よりも、まずは、生徒たちが主体的に楽しみながら自らの研究活動に熱心に取り組んでもらえればと願っています。

 本校において3年間を通して実施する探究的な活動が、すべての生徒たちにとって有意義なものとなり、思考力・判断力・表現力、課題発見・解決能力や情報活用能力の育成に寄与できるよう尽力していきたいと考えています。

 

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