【先進校視察】広島大学附属中・高等学校

2月21日(金)に広島大学附属中・高等学校で開催されました「令和元年度『SSHの日』」に参加してまいりました。

広島大学附属中・高等学校はSSH指定第4期2年目で「社会に開かれた科学技術を先導する人材育成の起点となる科学教育カリキュラムの開発」とのテーマで研究開発に取り組まれています。

午前中の事業報告では、学校設定教科『SAGAs』を中心にお話しいただきました。 広島大学附属中・高等学校では、学校設定教科『SAGAs』を設置し、「課題研究」を中核とした科学教育カリキュラムを開発、実施されています。

S・・・Scientific(科学的)
A・・・Academic(高度かつ専門的)
G・・・Global(国際的)
A・・・Autonomous(主体的・自律的)

1学年200名で、第1学年では全員が『総合科学』を履修

第2学年から「AS(Advanced Science)/40名」と「GS(General Science)/160名」のコースに分かれ、下記の学校設定科目を履修

《ASコース》
『AS科学探究Ⅰ・Ⅱ』『AS統計科学/数学科教員による教材開発』『ASサイエンス・コミュニケーション/国語科・英語科教員による教材開発』
《GSコース》
『GS総合科学探究Ⅰ・Ⅱ』『GS社会と統計/同上』『GSクリティカル・コミュニケーション/同上』

学校を挙げて課題研究の指導の教材開発に取組んでおられる様子が伝わってきました。

・縦のつながりを重視し、2年生と3年生が同一時間に課題研究活動を行い、3年生は10月以降は2年生の指導や支援にあたる
・ASコースの事前課題として、1年生が3年生の課題研究論文の批評を行う
・研究ノートを用い、意義や書き方を学ぶ

など、特徴的な取組紹介もありました。

また午前は事業報告に加え、GSコースのポスター発表も行われました。

「国語」「社会」「養護」「音楽」「美術」「英語」「数学」「化学」「生物」「地学」「保健」「情報」と幅広いテーマでの発表がありました。

授業での学びを踏まえ、「二要因分散分析」「t検定」を用いた考察が見受けられました。 発表を聞いている生徒たちがルーブリックを用いて、評価している姿が印象的でした。

午後は、ASコースに加え、国内招待校2校、またタイ、韓国からの招待校のポスター発表が行われました。 保護者や大学・高校等の教育関係者に加え、高校1年生、中学3年生も見学していました。

附属高校の生徒たちは、日本語のポスターと英語のポスターの両方作成し、海外からの招待生徒には英語でプレゼンしていました。 読み原稿なしに英語で説明してくれる生徒もおり、その生徒に話を聞くと、学校設定科目での学びが活きていると教えてくれました。

閉会式では卒業生の大学生が講評を行っていました。

・自分が当たり前と思っている前提条件や説明も初めて聞く人にとっては当たり前ではない
・ここはちょっと難しいので、という前言葉で自分自身の理解不足をごかまさない
・質疑応答に集中し過ぎて、後ろで発表を新たに聞きたい人をおざなりにしない

など、アドバイスを後輩たちに送っており、後輩たちも真剣に聞いていました。 母校で同じく課題研究の経験があるからこそ、後輩達にも伝わる内容なのだと感じました。

今回の訪問では、他にも

・各教室の黒板の上に校訓を掲示 ・教室の掲示板にSSH通信を掲示
・クラブの活動報告書を毎月部員が提出し、生徒会が集約の上、廊下に掲示、提出状況がクラブ予算にも影響

といった、興味深い取組も見られました。

企画・運営いただいた関係者の皆様方、貴重な機会を賜り、感謝申し上げます。今回の学びを本校での取組に活かしてまいります。

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(化学科:吉田拓郞)