11月9日(土)午後1時から、「第68回大阪府学生科学賞」表彰式が読売新聞大阪本社ビル地下1階「ギャラリーよみうり」で開催されました。「大阪府学生科学賞」は科学教育の振興を図ることを目的として、大阪府内の小学校、中学校、高等学校などに在籍する児童・生徒から科学研究作品を募集し、優れた作品の表彰を行うとともに公開展示を行うものです。
10月10日(木)、校長ブログに掲載したとおり、本校は5点の作品を出品したところ、昨年度と同様、大阪府知事賞を含む最優秀作品賞に2点、優秀作品賞に1点選出されました。また、2年連続で学校賞(大阪府科学教育振興委員会賞)にも選出されました。昨年度の大阪府知事賞には驚きましたが、2年連続というのにはさらなる驚きを感じたところです。
昨日の午後は「大阪大学ツアー」もありましたが、私は表彰式に参加しました。大阪府学生科学賞の表彰式は、私が府教育庁で主催者側として行ったとき以来であり、とても懐かしく感じました。表彰式では小中学生に対する表彰も行うため、表彰される本人の緊張した様子や家族の方の嬉しそうな表情を見ることができ、微笑ましくなります。
表彰式は、主催者である大阪府教育庁小中学校課参事からの挨拶、来賓・主催者の紹介の後、最優秀作品賞、優秀作品賞、学校賞の順に表彰状が授与されました。本校は3つのグループの代表がそれぞれ最優秀作品賞である大阪府知事賞と読売新聞社賞、優秀作品賞である大阪府教育委員会賞を、また学校賞の表彰状を受領しました。最優秀作品賞6本のうち2本、優秀作品賞6本のうち1本を受賞できたのは、とても光栄なことです。
表彰状授与の後、審査委員長である大阪公立大学大学院工学研究科の荻野博康教授から講評として、「第68回大阪府学生科学賞」の審査の概要について説明がありました。今回、小学校の部93作品、中学校の部68作品、高等学校の部42作品の合計202作品を対象に本審査を行ったとのことです。優秀な作品が多くあり、審査が難航したという話しもありました。小学校、中学校ではそれぞれ予備審査(小中あわせて52,000以上の応募作品からの審査)が行われており、小・中学校では、この本審査に選出されるだけで価値があります。そして、この後研究発表が行われる大阪府知事賞を除く5つの最優秀作品賞を受賞した研究について、本審査において高く評価された点などに関する話しがありました。その中で、小学校の部、中学校の部では研究を継続し、研究レベルを上げながら、毎年のように表彰を受けている生徒が多くいるということが印象に残りました。
本校が読売新聞社賞を受賞した「〜音を使ってお仕置きよ!〜 可聴域の差を利用した外来魚駆除法の検討」の研究については、「在来種の魚と外来種の魚が認識する音の周波数が異なることを見いだし、在来種の魚に影響を与えず、外来種の魚のみを駆除する新規の方法の検討に取り組んだ点において高い評価を受けた」との説明がありました。ちなみに、この研究は、本校が行った昨年度の文理課題研究発表会においても、「学校賞」を授与した興味深い内容でした。
荻野教授からの講評の後、小学校の部、中学校の部、高等学校の部の順に、大阪府知事賞を受賞した児童・生徒たちが、研究内容についてパワーポイントを用いて口頭発表を行いました。小学生の発表の作品名は「その手だいじょうぶですか。手に付いている雑菌調べ」、中学生の発表の作品名は「樹種別心材・辺材の燃焼効率比較実験~木々の有用性について探求しよう~」でした。どちらも効果的で適切な実験を行いながら、説得力ある「考察」や「まとめ」であったことに感心しました。まさしく「研究」と呼べる内容でした。
高等学校の部では、本校生徒3名が作品名「ミョウバン結晶の形状比較」の発表を行いました。口頭発表する機会は久しくありませんでしたが、緊張もあまり感じられず、立派に発表していました。小中高すべての研究発表が終わった後、荻野教授から、大阪府知事賞を受賞したこの3本の研究作品についての講評がありました。
本校生徒の研究に対しては、「ミョウバンが結晶化する際、溶解している他の物質とともに結晶化することに着目し、結晶化の様子や結晶の形を詳細に検討した作品です。様々な濃度のイオンを含む溶液から、どのような結晶を生じるか丁寧に調べています。結晶化する際に存在するイオンの違いによって結晶のしやすさや結晶の違いを検討し、ミョウバンの結晶構造と構成比から、その違いを考察しようとしています。地道な検討と一つひとつ疑問を解決しながら探究していく過程が高い評価を受けました。」との講評をいただきました。
表彰式が終わった後、受賞できた喜びを感じながら、3つのグループ、そして全員で写真を撮影しました。