昨日9月21日(日)阪南大学高等学校 天美グラウンドにおいて、硬式野球部が令和7年度秋季近畿地区高校野球大会大阪府予選の3回戦、府立鳳高等学校との試合を行いました。府立港高等学校に9対8、府立寝屋川高等学校に3対1で勝利しての3回戦となります。
2回戦の寝屋川高校との試合では、前半の5回までは互いに得点できず0対0。6回表にようやくタイムリーで先取点をあげ、8回表に相手のミスもあり2点を追加し3対0。8回裏にはノーアウト満塁の大きなピンチもダブルプレーで1点に抑え、逃げ切っての勝利でした。安定したピッチングと堅実な守備が印象に残った試合でした。今回も2回戦と同様、できる限り相手校に流れを渡すことなく、こちらのペースで試合を展開し、勝利してもらいたいと願っていました。
最初に結果をお伝えします。16対9の8回コールドで勝利しました。結果だけ見ると圧勝したように見えますが、初戦の港高校戦を思い出すような、試合の流れが互いに行ったり来たりする展開で、試合時間も3時間近くに及ぶ、長くてしんどい試合となりました。
もちろん、ここぞという場面でタイムリーヒットが出たり、ファインプレーともいえる好守備を見せてくれたり、褒めてあげたいプレーも随所に見せてくれました。一方、エラーやフォアボールから突然流れを持っていかれ、冷静さを失ったようなプレーも見られました。3回、5回、8回の守備ではそれぞれ3点ずつ取られましたが、普段どおりのプレーができていれば、十分に最少失点で切り抜けることができただろうと思います。
改めて、明日23日(祝)に行われる4回戦に向けて、昨日の試合を振り返り、課題と考える点を整理してほしいと思います。その参考になればと思い、私自身が試合を見て感じたことを率直に書かせてもらいます。
試合は12:50頃に開始されました。私は午前中に私用があり、当初開始予定の12:10には間に合わないのを覚悟して行きましたが、何とかプレーボールまでには到着しました。
1回表の守備では、センターフライの後、フォアボールを与えました。次の打者はピッチャーゴロに打ち取りましたが、1塁ランナーは走っていたため2塁に。先取点を奪われるピンチに、良い当たりのライナーがショートの正面をつき、何とか「0」で終えることができました。本校の1番をつけた左投手は、いつもと比べてストレートが多く、やや球が高いなと感じました。ただ、立ち上がりを無難に切り抜けました。
1回裏の攻撃は、サードゴロの後、フォアボールで出塁し、ワイルドピッチで2塁に。この後、フォアボール、フォアボールで1アウト満塁のビッグチャンスになりました。もらったチャンスでぜひとも先取点をと願っていましたが、次打者はセカンドゴロのダブルプレーに打ち取られました。10番をつけた右上投げの相手投手はストレートとカーブを投げ、ストレートは球威があり球は重そうな感じでした。ただ、立ち上がりでもあり、コントロールに苦しんでいました。それだけに、1点でも先制したかったところです。相手投手を助けてしまった形になりました。
2回表の守備は、ショートゴロの後、セカンドエラーで出塁を許しました。そのランナーは盗塁で2塁に行きましたが、後の打者をセンターフライ、セカンドゴロに抑えました。本校の投手は2回戦で見せた投球と比べると、まだ力みがあるように感じました。
2回裏の攻撃は、ショートゴロ、三振、三振で三者凡退に抑えられました。相手投手が立ち上がりを0点に抑え、乗ってきたらいやだなと感じました。
3回表の守備では、ライト前ヒットを打たれ、盗塁、ワイルドピッチで3塁に。次の打者にレフトオーバーの三塁打を打たれ、先制されました。さらにセンター前ヒットで2点め。そのランナーが盗塁した後、送りバンドで3塁へ。サードゴロでサードがキャッチャーに投げた球を落球し、バッターは1塁へ。その1塁ランナーが盗塁した後、ライト前ポテンヒットを打たれ、3点めを取られました。三振をとった後、フォアボールを与えましたが、次打者はセカンドゴロで何とかこの回を終えました。
何かバタバタしている間に3点取られたという印象でした。レフトオーバーの打球も何とか取って、タッチアップの1点で終わらせたかったところです。また、1塁に出たら躊躇なく走られていることが気になりました。ぜひとも、次の試合に向けたバッテリーの課題としてください。
3回裏の攻撃は、ファーストゴロ、センターフライ、ファーストゴロの三者凡退に抑えられました。2回、3回と抑えられ、いやな雰囲気で試合がすすみました。
4回表の守備は、三振、セカンドゴロの後、フォアボールを出し、また盗塁されましたが、セカンドゴロに抑えました。本校投手もこの回は、力みがなくなったかなと感じました。
4回裏の攻撃は、ショートゴロの後、センターオーバーの二塁打を打ちました。サードゴロの後、三振振り逃げで、キャッチャーがファーストに悪送球を投げて2アウト1,3塁に。1塁ランナーが盗塁した後、フォアボールで満塁に。その後、デッドボールの押し出しで1点、フォアボールの押し出しで2点め、次の打者がセンター前ヒットを打ち同点にしましたが、2塁ランナーは本塁上でタッチアウトとなり、逆転はできませんでした。
押し出しによる2点の後、ヒットが出て、この回で同点に追いつけたのは大きかったと思います。エラーはその後に影響を及ぼし、試合の流れを変えてしまうことが多くあるため、本当に怖いと実感しました。
5回表の守備では、フォアボールを与え、サードゴロで2塁に。レフト前ヒットで1,3塁となった後、2塁への盗塁が成功。1アウト2,3塁の場面でライト前ヒットを打たれ1点。また盗塁を決められ、2,3塁に。次打者のスリーバントスクイズ失敗があり、その次もセカンドゴロで切り抜けたかと思ったところ、ファーストが落球し2点を献上してしまいました。そのランナーは盗塁を試みるも、ここで初めて盗塁をアウトにしました。
この回は4回裏に追いついたところであり、先頭打者に対するフォアボールに加えて、最後のエラーは避けたかった、せめて1点で終わりたかったところです。この時点においては、この3点がこの後の試合展開で重くのしかかってくるように感じていました。
5回裏の攻撃では、フォアボールで出たランナーがワイルドピッチで2塁に、そしてパスボールで3塁に。次の打者もフォアボールで1,3塁になった後、盗塁成功で2,3塁に。そして、ショートゴロで1点、デッドボールの後、セカンドゴロでもう1点取りました。次の打者はセカンドゴロに終わりましたが、3点取られた後に、ノーヒットで2点取れたことで、まだこの後、流れはどちらに転ぶか分からないなと感じたところです。
6回表の守備は、レフトフライの後、ライト線へのフライをライトが好捕、そしてショートゴロに打ち取り、三者凡退に抑えました。投手はこの回は楽に投げていたように感じました。
6回裏の攻撃は、デッドボールの後、送りバントで2塁に。次打者はセンターによい当たりを打ちましたがセンター正面でアウトに。2アウトからセーフティーバントが成功し1,3塁となった後、センター前ヒットで同点としました。このチャンスによくタイムリーを打ったなと思います。大きな1点でした。
同点となったところで、相手チームは1番をつけた右横から投げる投手に交代しました。ただ、フォアボールで満塁に、その後も、フォアボールの押し出しで逆点、さらにフォアボールの押し出しでこの回3点めを取りました。これでは終わらず、レフト前ヒットでさらに1点を追加し、大きく逆転しました。その後はショートゴロに打ち取られましたが、同点となるタイムリーに加えて、この回4点めとなるタイムリーが出たことで、流れは完全にこちらに傾いたと感じました。
7回表の守備は、ショートゴロ、三振、三振の三者凡退に抑えました。前の回ぐらいから、普段どおりのピッチングが見られるようになったと思いました。
7回裏の攻撃では、先頭打者がデッドボールで出塁したところで、ピッチャーが交代しました。ただ次の打者にもデッドボールを与え1,2塁に。次打者はセンターフライとなり、ランナーを送ることができませんでしたが、その次の打者がレフト線への二塁打を打ち1点をとり、まだ1アウト2,3塁。このチャンスではセカンドフライとなりましたが、次打者がライト前ヒットを打ち、2点を追加しました。このランナーは盗塁失敗でこの回を終了しました。この回も3点を取り、7回を終了し、12対6となりました。
8回表の守備は、セカンドゴロ、次打者のセカンドゴロは2塁ベース付近の難しい当たりでしたがアウトにしました。ここまではこのまますんなりと終われるかと思っていましたが、そうはいきませんでした。昨日のように流れが行ったり来たりする試合ではよくあることだとは思いますが・・・。
2アウトランナーなしからサードゴロを捕ったところまではよかったのですが、丁寧に行き過ぎたのか、ファーストへの悪送球となり出塁を許してしまいました。次の打者にはライト線への二塁打を打たれ1点、次打者にもセンター前ヒットを打たれ2点め、さらにショート内野安打で1,2塁、フォアボールで満塁となりました。
ここで8番をつけた右上から投げる投手に交代しました。球威はありましたが、このピンチの場面で制球が心配でした。その不安どおり、フォアボールの押し出しで3点めを取られました。ただ、その後の打者は三振に抑え、この回を何とか終えることができました。もし満塁からヒットを打たれていたら、結果はまだどうなっていたか分からないような状況でした。
8回裏の攻撃は、セカンドへの内野安打で出塁、送りバントをピッチャーがエラーして1,2塁に。次打者は三振で送ることができませんでしたが、その次の打者の送りバントをファーストがエラーし、1アウト満塁となりました。次打者は見逃し三振と残念でしたが、その次の打者がレフトオーバーの三塁打で走者一掃の3点を取りました。
この時点で15対9となり、あと1点取ればコールド勝ちというところで、しっかりとセンター前ヒットを放ち、ようやく長い試合に決着をつけました。
ここまで読んでいただくと、最初に書いた「試合の流れが互いに行ったり来たりする展開で、長くてしんどい試合」であったことが実感いただけたと思います。こういう試合が、何が起こるか分からない高校野球の面白さなのだと思いますが・・・、ただ、応援する者としては、ハラハラ・イライラすることが多くあります。
さて、硬式野球部員の皆さん、4回戦進出おめでとうございます。長くてしんどい試合もこうして勝ち切ることができ、それが皆さんの自信につながればと願っています。ここまで3勝できたことは素晴らしいと思いますし、初戦の港高校戦から考えると明らかにチームとしての成長が感じられます。
ただ、エラーが出た時やピンチの時こそ冷静に、普段どおりのプレーができるよう意識的に取り組んでもらいたいです。今回の試合でいえば、8回表2アウトからサードがエラーした時に、皆さんはどのような気持ちでしたか。その時はまだ12対6で勝っていたので全く動揺する場面ではなかったのですが。3点取られて12対9となり、まだ2アウト満塁の時はどうでしょうか。またフォアボールを出してしまうのではないか、自分のところに打球が飛んできてエラーしないだろうか、打たれて逆転されるのではないかなど、不安な気持ちに襲われませんでしたか。
試合中はできる限り、そのような不安な気持ちを持ち込まないことが重要です。どうしても緊張し、体が硬くなり、自然な動きができなくなると思うからです。試合前や試合後はしっかりと考えて対策し、振り返りをすればよいと思いますが、本番になれば、あまり考えすぎずに、何事にもポジティブにとらえるほうが、よい結果が残せると思っています。
明日の4回戦、星翔高等学校との試合では、今回の秋季大会3戦の集大成のつもりで、皆さんの持てる力を十分に発揮してもらいたいと思います。相手がどこであろうが、やるべきことは同じです。
皆さんは、この3つの試合で多くのことを学んだと思います。その皆さんに改めて私から伝えたいことは、「試合の流れを常に自分たちに引き寄せておく」、「もしエラーやミスが出たとしても、ひきずらず、最少失点で食い止める」、「常にポジティブに物事をとらえる」、「せっかくの大会、自分たちの野球を楽しむ」などでしょうか。明日の勝利を期待しています。明日も応援に行きたいと考えています。
最後になりましたが、昨日も保護者の方をはじめ、たくさんの方々に応援に来ていただきました。皆様方に感謝申し上げます。