「GLHS合同発表会」が開催されました

 昨日2月14日(土)13:00から大阪大学吹田キャンパスにあるコンベンションセンターにおいて、「令和7年度GLHS合同発表会」が開催されました。グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)10校の代表生徒が各学校で取り組んできた人文科学、社会科学の領域に関する課題研究の成果を発表する場として、毎年開催されています。GLHS設置当初から開催されており、今年度で15回めとなります。

 大阪府教育委員会が主催し、大阪大学が共催する課題研究発表会で、優秀な発表に対して、大阪府教育委員会賞、大阪大学賞が授与されます。

 昨年度は1週早い2月8日(土)の開催であったことにもよるのでしょうが、大阪大学に行った時にはうっすらと雪が積もっていました。ただ、昨日はそれほど寒さを感じることはなく、昨年度は雪であったことを思い出しながら、歩いていました。

 確かに、先週の土日は寒波で、日曜日には岸和田でも多くの雪が降りました。また本日は昨日よりもさらに気温の高さが感じられ、改めて、この時期は1週間でかなり季節がすすむことを実感したところです。

 発表会の開会にあたり主催者を代表して、大阪府教育庁大久保教育監から挨拶がありました。挨拶では、昨年ノーベル賞を受賞した大阪大学の坂口教授と京都大学の北川教授の研究について、「当初は実用化の見通しが全く立っていなかった中、環境の変化にも左右されることなく、仲間と協力しながら地道に研究を重ねられ、ノーベル賞受賞という大きな成果を挙げられた」という話しがありました。また、「坂口教授は『研究はなぜという問いから始まる』と言われています。自ら問いを立ててテーマを設定し、仲間と議論を重ねながら答えのない課題に向き合う、その過程で培った力は予測困難だと言われるこれからの社会を生き抜く上で、必ずや大きな支えになるはずです。」、また、「研究を通じて、社会の成長につながる新たな価値を創り出していかれることに大いに期待します。」といった話しがありました。

 続いて、大阪大学田中理事・副学長から挨拶がありました。挨拶では、SDGsに掲げられた目標を含め、これからの課題についてはそれぞれの学部や学問だけで対応・解決できるものはなく、横断型で取り組んでいかなければならない。実際に地球規模の課題に直面しており、その課題に挑戦し解決の糸口を見いだせる「未来社会をデザインできる人」が求められている。大阪大学ではそのような人材を輩出したいと考えている。地球規模や未来社会というと、何か遠い存在のように感じるかもしれないが、実際に未来社会について考えるということは、皆さん自身が夢を持つための大きなチャンスになると考える。GLHSにおいて課題研究に取り組んでいる皆さんはすでに大学での学びを先取りしている、すなわち、皆さんは未来社会をデザインするという第一歩を踏み出していると言える。といった内容の話しをしていただきました。

 大久保教育監と田中理事・副学長からの挨拶をとおして、GLHS10校の生徒たちに対する、「様々な課題解決に取り組み、社会に貢献してほしい」、「よりよい未来社会をデザインする人になってほしい」といった願いや期待が十分に伝わってきました。ぜひとも、そうした期待に応えられるよう、生徒たちを指導・支援していかなければならないと感じました。

 その後、大阪大学関係者、大阪府教育庁関係者、GLHS10校校長の紹介が行われました。質疑応答に係る質問者として大阪大学の教授2名が、また審査員として大阪府教育庁高等学校課参事、大阪府教育センター首席指導主事、大阪大学の教授・准教授3名の合計5名が来られていました。お忙しいところ、どうもありがとうございました。

 そして、以下の順に、以下の研究テーマの発表と発表に対する質疑応答が行われました。

 岸和田 「性格に基づく損失回避と意思決定」

 四條畷 「音の魔法!歴史的変遷に基づく新たなオノマトペの創造」

 高津  「若者の選挙率向上への有効なアプローチとは?」

 大手前 「日本的感性の再検証」

 北野  「図書館×市民参加」

 生野  「新古今和歌集で見る藤原定家の恋歌の特徴と表現」

 茨木  「『恐怖』と『徳』~ロペスピエールにおける『死刑』」

 三国丘 「泉北ニュータウンの現状と人口増加についての提案」

 天王寺 「古語『かなし』の語義の変遷に関する-考察 ~万葉から徒然までの用例分析を通じて~」

 豊中  「恋愛における嫉妬感情と自己肯定感の関係~本来感と自己愛の観点から~」

 上記のとおり、本校の代表生徒はトップバッターとして、「性格に基づく損失回避と意思決定」というテーマで発表を行いました。その研究の目的は、「刺激欲求の強い人は新しい経験や感情を求めてリスクを取る傾向があると考えられるが、実際にそのような行動をとるのかを明らかにする」ということでした。

 研究の方法は、まずは性格や刺激欲求の度合い、行動特性などを把握するため、被験者に「MBTI診断」、「ES」に関するアンケート、「DISC診断」を行ってもらいます。また、トランプゲームの「ブラックジャック」を行ってもらい、その人がどのような行動をとるのかを確かめます。そして、それぞれの診断結果とブラックジャックにおける行動との相関関係を調査・分析しようというものでした。

 ちなみに、「MBTI診断」は若い世代を中心に日本で急速に人気を集めたもので、個人の性格を4つの主要な軸に基づいて分析し、16種類の性格タイプに分類するという性格診断です。私も昨年秋に生徒に勧められ試したところ、「提唱者」であったことを思い出しました。

 「ES」とはExperience seeking(新しい体験や変わった経験をしてみたいという欲求)のことで、刺激欲求(sensation seeking)を測定するSS尺度の下位尺度にあたるものです。

 「DISC診断」は、人の行動パターンを性格分類検査の「DISC理論」に基づき、Dominance(主導型)、Influence(感化型)、Steadiness(安定型)、Conscientiousness(慎重型)の4つのタイプに分類する診断です。

 数多くの被験者に対して行った3つの診断とブラックジャックにおける行動との結果を踏まえ、研究に対する分析・考察を行い、結論を導いていました。3つの診断結果に対する行動との整合性を確認するとともに、3つの診断の特徴や傾向についても考えられることを結論として述べていました。

 この発表内容について、私はすでに1月24日(土)本校で開催した「文理課題研究発表会」の岸高ホールでの発表を見ていたので知っていました。その際、刺激欲求の強さをブラックジャックで手札の合計が15~18の時にカードを追加するかどうかで測っていることについて、どれだけの説得力があるのだろうかと感じ、この点でこの研究の評価が分かれるのだろうと思いました。

 ただ、発表内容は変わらずとも、本番のGLHS合同発表会では堂々と自信をもって、自分たちの研究内容を伝えてもらいたいと願っていました。特に、私が1番のくじを引いてしまったこともあり、緊張するだろうなと思っていました。

 発表するという面ではしっかりと準備をし本番に臨み、大きな成果を挙げてくれたと感じています。期待どおり、よく頑張ってくれたと思います。大勢の前で、また大阪大学の舞台で発表できたことは、2人の生徒たちにとってよい経験になったと思います。

 10校の代表生徒の発表がすべて終わり、審査が行われている時間帯には、7月26日(土)~8月2日(土)の8日間、GLHS10校の生徒3名ずつ計30名が参加したGLHS10校合同海外研修(サンフランシスコ研修)の成果報告が行われました。

 すべて英語による発表であり、緊張したとは思いますが、全員が堂々と自信を持って発表していました。本校の生徒も大勢の前で立派に発表できたことは大きな自信に繋がったと思います。私には詳しい内容は分かりませんでしたが、今回のサンフランシスコ研修が参加した生徒たちにとって、どれだけ素晴らしいものであったのかはよく伝わってきました。

 海外研修の報告が終わった後、審査員である大阪大学の豊田岐聡教授から講評がありました。その後、表彰が行われ、閉会となりました。ちなみに、大阪府教育委員会賞は四條畷高校、大阪大学賞は茨木高校でした。

 今回参加して、改めてGLHS10校の生徒たちの凄さを実感しました。発表もよかったですが、特に、発表会の締めくくりとして最後に、後半の司会を務めていた北野高校の生徒が全体に伝えた感想にとても感動しました。その内容の素晴らしさと言葉の使い方、その表現力に驚きを感じました。

 これからも、「生徒が互いに刺激を受け、切磋琢磨し、学習や進路に関する意欲を高めるとともに、問題解決能力やプレゼンテーション能力を向上させる」という実施の目的が、より高いレベルで実現できるGLHS合同発表会であってもらいたいと願っています。今回、発表してくれた皆さん、そして聴衆として参加してくれた皆さん、お疲れさまでした。

 

  

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