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5/22(月)図書館だより(「らんまん~牧野富太郎と植物のひみつ~」を展示しています!)

 4月からN H Kの朝の連続ドラマ「らんまん」が始まりました。主題歌はあいみょんの「愛の花」。神木隆之介が演じる主人公「槙野万太郎」のモデルは"日本植物学の父「牧野富太郎」です。

 牧野は、明治、大正、昭和にわたって、全国の小中学校教師や植物マニアの協力を得て多くの新種を発見し、日本の植物に名前(和名と学名)を与えました。その功績が世界に認められ、"日本植物学の父"と呼ばれています。昭和32(1957)年95歳で亡くなるまで、「牧野植物図鑑」を発行し続け、現在も植物分類ツールとして活用されています。

 『牧野植物図鑑の謎』(俵浩三)の中では、同時代に活躍した、本校旧制茨木中学時代の博物教諭小笠原利孝先生が「実用新案普通植物図解」を発行したことが紹介されています。二人は同じ幕末生まれで、高知の商家出身で、維新によって身分の区別がなくなり、好きな学問の道に邁進していった牧野(1862(文久2)年生まれ)と、徳川親藩士族の長男として生まれ、廃藩置県により俸禄を失い、家族を支える術として中学校教師の道を選んだと考えられる、小笠原先生(1857(安政4)年生まれ)は、共通する植物への興味関心(=愛?!)に導かれて、お互いの「植物図鑑」によって運命が交錯します。小笠原先生と牧野が、同時期の東大植物学教室の人々と交流していた記録が国立科学博物館の資料に残っています。

 『ボタニカ』、『牧野富太郎自叙伝』には、ドラマにはない、リアルな富太郎と彼を取り巻く人々が(実名で!)描かれています。江戸と東京が混在していた「明治」という時代に、男も女も老いも若きも、まだ経験したことがなかった「自由」とは何かを求めて苦闘します。そんな姿を、ぜひドラマとともにお楽しみください。(生物科 有明) 

●展示している書籍 (生徒のみなさんや保護者の方々には貸し出しもできます!)

『牧野植物図鑑の謎』(俵浩三)

『ボタニカ』(朝井まかて)

『牧野富太郎自叙伝』(牧野富太郎)

ボタニカ.jpgのサムネイル画像                   

  • 上記の書籍と共に、校内に咲いている季節の草花も展示しています!

―― 5月の展示 「ハルジオン」キク科 Erigeron philadelphicus L. ――

北米原産の外来種だが、牧野が和名を「ハルジオン(春紫苑=春に咲く菊)」と命名した。

ヒメジョオン(姫女苑)との類似から「ハルジョオン」の名が普及している。

ヒメジョオンは一年草、ハルジオンは多年草で繁殖力が強い。

(『牧野新日本植物図鑑』(牧野富太郎)より)