体育祭マスコットアピールで優勝を飾った緑C団のマスコット長、副マスコット長からコメントが届きました。夏休み前から取り組んだマスコット長、副マスコット長のコメントには、ひとりひとりの作業への関わりがあったことがわかります。隅々までご一読ください。
「体育祭のおよそ3か月前、クラス投票で緑C団のマスコットは、あの人気漫画の神龍(シェンロン)をモチーフにすると決まりました。そして、マスコット長・副マスコット長になったばかりの私たちを襲った、言葉にできないあの焦燥感を今でもはっきりと覚えています。もちろん、胴体を蛇行させたマスコットは前例になく、過去の設計図や先輩からの引継ぎもあまり参考にすることができませんでした。そして、どのような設計にするか非常に悩み、設計図案の3度の変更を経て、ようやく満足のいく設計図が完成しました。
しかし、その間も他の団は作業を進めており、緑C団は1週間近く遅いスタートを切ることになりました。そのうえ、神龍の制作には新たな試みが多く、予想だにしない困難も少なくありませんでした。それでもなんとか形にすることができたのは、ひとえに全団で最多だった65人のマスコットパート、特に11人の専属マスコットの献身的な努力があったからです。
そんなみんなの熱意に応えるべく、私たちも工夫を凝らし、たくさんのこだわりを詰め込んで制作に当たりました。ここからは、そのこだわりの一部をご紹介します。
まずみんなが楽しく作業できるように、作業中はスピーカーで音楽を流していました。曲のリクエストをしてくれる人もいて、知らない曲との出会いもあり、私たち自身も楽しませてもらいました。また、毎日の作業終了時に神龍の前で集合写真を撮り、パート内で進捗報告することを欠かしませんでした。
また鱗の表現には特にこだわりました。具体的には、独立した鱗のパーツをダンボールでおよそ230個作り、それらを組み合わせることで滑らかなカーブを造形しました。着色では『マスコットはペンキ一色で塗る』という固定観念を取り払い、絵の具を使用してグラデーションをかけました。つまり、鱗の一つひとつに筆で細かい模様をつけていき、それらをタッカー等の工具で蛇行させながら接合していったのです。
さらに、顔の造形にも非常にこだわりました。顔には細かな凹凸や角があり、竹の骨格には限界がありました。なので、針金のみでの成形という、前代未聞の手法を採りました。さらに、顔にもグラデーションを施し、円錐形の前歯を作ったり、たてがみを衣装用の布で表現したりと、細部までこだわり抜きました。
加えて、それ以外にも工夫は沢山あります。神龍を支える竹の支柱は大部分が露出していたので、ペンキで黒く塗ることで目立たせないようにしました。体育祭が終わった後、辺りが暗くなっても神龍が映えるように、LEDで目を光らせるギミックを持たせました。
これほどまでにこだわりが散りばめられた神龍は、この緑C団でなければ完成は叶わなかったと断言できます。制作の難易度・完成度ともに、歴代最高のマスコットだったと思います。完成の見通しすら立たない中、最後までついてきてくれたマスコットパートのみんなには、感謝しかありません。特に3年生は、勉強はもちろん、マスゲームや応援団の練習がある中、たくさん作業を手伝いにきてくれたり、差し入れを持ってきてくれたりして、本当に助かりました。
そして、専属マスコットのみんな、積極的に意見を出し合い、褒め合えるあのメンバーで神龍をつくれて本当に良かったし、最高の思い出になりました。心の底からありがとう。そんな彼ら、彼女らの中には、もう既に『来年は絶対にマスコット長になります!』と言ってくれている人がいて、あの素晴らしいメンバーたちが来年どんなマスコットをつくるのか、今から楽しみです。ぜひ今年の経験を活かして、神龍を超えていってください。
来年、元緑C団マスコット専属のメンバーが別の団になることもあると思いますが、すべての団のマスコットを完成させるには協力が不可欠です。マスコット長同士はもちろん、他の体育祭を支える人たちへも感謝の気持ちを忘れずに、思いやりを持って助け合いましょう。理不尽に直面することもあると思いますが、みんなで力を合わせれば、大抵のことは乗り越えられます。ひとりで抱え込むのではなく、周りを頼ることを忘れないでください。
最後に、私たちの一生の思い出となるであろう今年の体育祭に関わってくれたすべての人と、最後まで支えてくれた緑C団マスコットパートのみんなに、最大限の感謝を伝えて、私たちからの振り返りとさせていただきます。」(緑C団 マスコット長、副マスコット長)