9月27日(土)くら寿司スタジアム堺において、硬式野球部が令和7年度秋季近畿地区高校野球大会大阪府予選の5回戦となる近畿大学附属高等学校との試合を行いました。9月23日(祝)の星翔高等学校戦に13対9で見事勝利し、「ベスト16」入りを果たした次の試合です。
前回の星翔高等学校戦では、何度もピンチを迎えながらも大崩れすることなく、またチャンスで多くのタイムリーを打つなど、自分たちの粘り強い野球を実践することができました。ここまでの4試合では、厳しい局面を何度も乗り越えながら、様々な経験をし、多くのことを学んできたはずです。それだけに一戦終えるごと、徐々に自信がついてきたのではないかと思っています。
今回の近大附属高校戦ではこれまでの経験と学びを活かし、どんな結果になろうとも気にすることなく、自信を持って思い切ったプレーを見せてもらいたいと願っていました。とはいえ、何も気負うことなく、普段どおりの野球をしてくれれば、それが一番よい結果につながるだろうとも考えていました。おそらく、5回戦で本校と戦う近大附属高校の選手のほうが絶対に負けられないというプレッシャーはあるでしょうから。
最初に結果をお伝えします。2対12の7回コールド負けでした。この結果だけ見ると、よいところがなかったように思われそうですが、5回終了時点では1対3、6回終了時点でも2対5という状況でした。正直、ここまでは強豪校を相手によく食い下がっていました。ところが7回表に7点取られてしまったのです・・・。
ではここから当日の状況についてお伝えさせていただきます。試合当日、くら寿司スタジアム堺では、ベスト8入りをかけた3試合が組まれていました。1試合めが太成学院大高-大体大浪商、2試合めが大商大堺-履正社、そして第3試合めが岸和田-近大附でした。これだけの強豪私学の中に「岸和田」の文字があるのを見ても、今大会での本校硬式野球部の活躍がご理解いただけると思います。
私は午前中、サッカー部の帝塚山学院泉ヶ丘高等学校との試合観戦のため、J-GREEN堺に行っていました。そして試合終了後、試合開始予定の13:50をめざし、くら寿司スタジアム堺に向かいました。到着した時には13:50を過ぎていましたが、まだ大商大堺-履正社の試合が行われていました。第3試合が始まっていなくて安心したものの、試合開始はかなり遅れることを覚悟しました。私は第2試合の熱戦を楽しんでいましたが、試合開始を待たされる生徒たちにとっては、ウォーミングアップや気持ちの盛り上げの調整が難しいだろうなと思いました。その2試合めは5対5の同点で迎えた9回裏、商大堺がノーアウト満塁からタイムリーを打ち、6対5でサヨナラ勝ちとしました。
試合開始に先立ち、試合前ノックが行われますが、近大附属高校のノックを見て、想像以上の守備力に驚きを感じました。ボール回しの速さやグラブ捌きなどに感心しました。その時点で、このチームから本校は何点とれるのだろうということを考えていました。
本校の試合開始はおよそ2時間遅れの午後4時頃となりました。ではいつものように、1回表から順に、試合内容を報告させていただきます。
1回表の守備は、先頭打者を三振に取った後、ショート内野安打で出塁したランナーの盗塁を2塁ベース上ドンピシャの送球でアウトにしました。この送球がこの後の相手チームの盗塁抑止力になったと思います。ただ、次打者のセンターへの大きなフライを捕球できず3塁に。その後もフォアボールを出しましたが、その次の打者はセンターフライに打ち取り、何とか立ち上がりの失点を防ぎました。当日はホームからセンター方向に結構強い風が吹いていたため、センターは難しい当たりであったと思いますが、打者によって守備位置を変えるなど、次は捕球できるよう準備してもらいたいと思いました。
本校の先発は1番をつけた左投手でした。立ち上がりは「力み」からなのか、球が高くいく投球が多く見られましたが、2回からは普段どおりの投球を期待したいと考えていました。
1回裏の攻撃は、先頭打者が良い当たりも打つもショートライナーに。その後も三振、サードゴロで打ち取られました。相手は右上から投げ、球は早く、ストレートとカーブがあり、コントロールもよさそうでした。また、テンポよくどんどん投げ込むのが特徴でした。連打するのは難しく、なかなか点を取らせてもらえないだろうと感じました。
2回表の守備は、フォアボールで出したランナーをワイルドピッチで2塁に。その後もフォアボールを出してしまいました。1回を切り抜け、精神的にも落ち着くかと思っていましたが、コントロールが乱れ、相手にチャンスを与えてしまいました。さらに、送りバントをアウトにすることができず満塁に。そして次打者にはライト前ヒットを打たれ1点を先制されました。次の打者はファーストファウルフライに抑えましたが、次の打者にはレフト前ヒットを打たれ2点追加されました。
ただ、1塁ランナーは3塁ベース上でタッチアウトにしました。その後、盗塁で3塁にすすまれましたが、次の打者はセカンドベース寄りの難しいゴロをセカンドがアウトにしました。3塁ベース上でのタッチアウトやセカンドの好プレーもあり、何とか3点で終えることができたと思います。まだ何とかなるという感じでした。
2回裏の攻撃は、三振、サードゴロの後、フォアボールで出塁しました。さらに、次の打者のサードゴロをサードがファーストに悪送球をし、1点もらいました。2塁にランナーがすすみチャンスは続きましたが、次の打者はショートライナーに終わりました。3点取られたすぐ後に1点返すことができたのは大きかったと思います。また、このことで投手の気持ちがどのように変わるだろうと考えていました。
3回表の守備では、サードゴロの後、ライト前ヒットを打たれましたが、次打者はレフトフライで2アウトになりました。その後、レフト線への二塁打を打たれ、フォアボールを出し、再び満塁のピンチとなりましたが、ここではしっかりとショートフライに打ち取りました。この満塁のピンチを抑えたのは大きかったと思います。ここでヒットが出ていたら、再び大量失点につながり、この時点で試合の勝敗が決定したのではないかと思います。
3回裏の攻撃は、三振の後、フォアボールで出塁しました。次打者はショートゴロでしたが、ショートがトスしたボールをセカンドが落球し、1,2塁となりました。その後、セカンドゴロで1,3塁にした後、次打者は良い当たりでしたが、セカンドゴロに終わり、点を取ることはできませんでした。残念ながら、相手のエラーにつけこみ、得点することはできませんでした。
4回表の守備は、セカンドゴロの後、フォアボールを与え、キャッチャーゴロで2塁にすすまれました。ただ、次打者のセンター前に落ちようかという当たりをセンターがギリギリのところで好捕し、この回も守り切りました。2回表に3点を取られましたが、3回、4回はランナーを出しながらも何とか凌ぐことができており、この後相手より先に得点できれば、より流れを引き寄せることができるだろうと考えていました。
4回裏の攻撃は、ライトフライの後、ライト前ヒットで出塁しましたが、後は続かず、三振、三振で終わりました。
5回表の守備は、セカンド前の当たりをファーストに悪送球し2塁にすすめてしまいました。投げても間に合わなかったタイミングだったと思いましたが・・・。ただ、センターフライ、セカンドゴロでランナーは3塁に。そして次打者はセンターフライに打ち取り、ノーアウト2塁のピンチも「0」に抑えました。
5回裏の攻撃は、三振、ファーストファウルフライ、ショートゴロの三者凡退に抑えられました。
6回表の守備は、レフト前へのポテンヒットを打たれ、送りバントで2塁に。その次の打者にはセンターオーバーのランニングホームランを打たれ、2点取られました。広い球場のセンター一番奥まで打球が転がり、ランナーも足が速かったとはいえ、3塁で止めてほしかったです。精一杯の中継プレーであったとは思いますが、しっかりとバックホームへの中継を作ることができていたか検証してください。
次打者を三振に打ち取った後、センター前ヒット、フォアボールを与えて1、2塁に。さらに、2塁牽制悪送球で1,3塁にしましたが、次打者はファーストゴロに打ち取りました。2点取られた後のピンチを抑えることができたため、まだ付いていけると感じていました。
6回裏の攻撃は、ショートへの内野安打で出塁した後、ライト線への三塁打を打ち1点を取りました。まだノーアウト3塁という追加点のチャンスでした。ここで相手チームは7番をつけた右上から投げる投手に交代しました。先発投手よりも腕の振りはよく、球の伸びもよく、とても速く感じました。
この時点で2対5という状況でしたが、相手の内野は前進守備ではありませんでした。ところが、後続の打者は3人続けての三振に終わりました。早いストレートにまったく合わず、バットに当てることすらできませんでした。この場面で1点取ることができなかったことだけが、この試合での心残りです。
7回表からは点灯されました。先頭打者にライト線への三塁打を打たれた後、フォアボールを出し盗塁で2,3塁に。次打者のサードフライを捕球できず満塁に。この後、ワイルドピッチで1点を与え、またフォアボールで満塁になりました。
ここで8番をつけた選手に投手を交代したところ、その初球のストレートをライトオーバーの三塁打でこの回4点め。さらにセンターオーバーの三塁打で5点めを取られました。ちなみに、ここでも中継を作ることができていませんでした。
次打者をピッチャーゴロに打ち取った後、フォアボールを与え、盗塁で2,3塁に。その後、三振を取りましたが、続く打者には詰まった当たりのライト前ヒットを打たれ7点めを取られました。その次の打者はセンターフライに打ち取りましたが、相手打線に襲い掛かられ、食い止めることができない状況でした。特に、フォアボールやエラーで出塁を許したランナーを長打で返されるという悪い流れになってしまいました。
交代した投手は球威があり、この試合ではカーブも使いながらの投球でしたが、火がついた打線を抑えることはできませんでした。いくらストレートが早くても打たれることを実感できたことだと思います。
7回裏の攻撃は、先ほどの回から続いて6人連続となる3三振で、2対12の7回コールド負けとなりました。
私としては、自分たちの粘り強い野球を貫き、何とか9回まで野球を楽しんでほしいと願っていましたが、残念ながら、そう簡単なことではありませんでした。実際にそれだけの実力差がありますし、6回まで踏ん張ったことを高く評価してあげたいと思っています。
今回、くら寿司スタジアム堺で5回戦となる近大附属高校との試合を行うことができ、強豪私学との実力の差や、今後自分たちが取り組むべき課題が明らかになったと思います。そして何よりも、流れを相手に渡してしまうとそれを止めるのは困難であるという、「野球の怖さ」を実感したと思います。
ぜひとも、この秋季大会での経験を、しっかりと目的を定めた練習や精神力の強化などに活かすことで、今後の試合にその成果を発揮できるようにしてもらいたいと考えています。
今回、本大会の5試合をずっと観戦させてもらいました。スリリングな展開も多くあり、野球好きの私にとっては楽しい時間でした。ありがとうございました。また地区大会や練習試合など、皆さんの成長ぶりを見に行くことができればと考えています。
最後になりましたが、保護者の方をはじめ、たくさんの方々に応援に来ていただきました。皆様方に感謝申し上げます。