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9月26日(木)「総合的な探求の時間」の『防災・第2回=地震災害』特別講義実施~京都大学防災研究所 地震予知研究センターの西村卓也准教授に

9月26日(木)、牧野高校1年生の生徒に対する「総合的な探求の時間」で、『防災』に関する第2回目の特別講義を行いました。今回は講師として、京都大学防災研究所から西村卓也准教授にお越しいただきました。西村先生は、京都大学の宇治キャンパスにある京都大学防災研究所の地震予知研究センターで、海溝型地震研究領域の准教授をしておられます。人工衛星を使う衛星測位システムGNSS(GPS)を利用して地殻変動を観測して分析したり、2018年の大阪北部地震や2016年の熊本地震の現地を調査したり、21世紀の内には必ず起きると言われる南海トラフの大地震などについて研究されています。

西村先生は、最初に、世界と日本の20世紀以降の自然災害ワースト5を紹介することで、地震は自然災害の中で、最も破滅的な被害を生じるものの一つであることをお話しされました。大阪北部地震や、熊本地震、2011年東北地方太平洋沖地震、1995年兵庫県南部地震、1946年昭和南海地震(一番最近に起きた南海トラフの大地震)による被害の状況を見せる写真のスライドもありました。そして、震度とマグニチュードの違い、地震とプレートのこと、地震が起こる場所、地震発生のメカニズム、加えて、近畿地方や私たちの牧野高校の近くにある活断層の存在のことも説明していただきました、最後に、「なぜ南海トラフ地震は必ず発生すると考えられているか」について、最新のGNSSによる、1996年から2019年7月までの西日本地域の地殻変動の様子を分析したスライドの動画を見せていただき、既に私たちが住んでいる地域には、かなりの(1ⅿを超えるような北西方向の)地殻のズレが生じていて、地震が発生するエネルギーが相当に溜まっていることが良く分かりました。

政府の委員会は,南海トラフ巨大地震が今後30年間に起きる確率は70~80%としていることや、確率の大小は別にして、今の高校生の生きている間には確実に起きるだろうというお話しもありました。

また、西日本では、南海トラフ地震の起きる前50年と、起きた後の10年に内陸地震が多発する傾向があること、このため、今後は内陸地震(1995年兵庫県南部地震や2016年熊本地震のような地震)にも警戒が必要ということも話されました。有馬-高槻断層帯や生駒断層帯、上町断層帯などのある大阪も直下型の地震に気をつける必要があることを痛感しました。

自分たちの住む場所が地震の被害に遭うことを、初めて認識した生徒も多いのではないでしょうか。

西村先生の「地震を正しく知り、備えよう。今日からできる南海トラフ地震対策」というお話しで、

①枚方市の予想震度は震度6弱〜6強。大阪北部地震と比べると強い揺れが長く続く(2-3分)。

②まずは家具の固定をしておくこと。またはものが落ちてくるところには寝ない!

③大阪の沿岸部には津波が来る。道頓堀川なども遡る。地下や低いところにとどまらず、高いところに避難。

④地震の揺れから大阪に津波が来るまでは40-50分以上あるので、落ち着いて高いところに移動する。車での移動はダメ(渋滞に巻き込まれて逃げ遅れる)。

⑤家族と連絡がとれなくなった場合の集合場所や連絡方法を考えておこう。

と説明がありました。是非覚えて実践したいと思います。また、明日来るかもしれない、内陸地震にも備えたいと感じました。

今日の50分の授業は、大変内容の濃い充実したものになったと思います。

高校生にも分かり易く説明いただきました西村先生に、改めて御礼申し上げます。

有難うございました。

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