防災研究所訪問

昨日、7月23日に2年生の希望者が、京大防災研究所を訪問しました。宇治川沿いにあるラボラトリーを訪問しましたが、昨今多くなっている水害に関する体験施設の訪問でした。最初講義室で幾つかの講義をうけます。

内容としては、防災研究所で研究をするための進路、水害が昨今多くなってきた理由、本日体験する内容等についてです。

全員塗れてもいいように体操服に着替えてから体験施設へ向かいます。

①体験は、200mm/hの雨が河川の上流に降った場合に、下流ではどのようになるのか?

②地下に水が流入した際に、階段を使って地上へ避難することができるのか?

③地下に水が流入した際に、扉の前に水が溜まったとしたら、どの程度まで開けることができるのか?

の3つについて体験しました。

①についてですが、施設では、雨を降らせるのですが、雨粒が自然界で作られるものよりも小さいため、豪雨という臨場感はない、という話で始まります。通常雨は、上空何千mで作られ、発達して降ってきますので、大きさも十分に大きくなりますが、施設では発達する距離もないため、難しいとのことです。お聞きしたところ、川の下流が十分に晴れていたとしても、上流で豪雨があると約30分で洪水になるとのことです。

②では、地上で約30cmの量の水が地下に流れ込んだ場合という想定です。体験では、人ひとり分の通路で、手すりも十分に使える階段で行いました。しかし、実際には、階段はそこまで狭くないですし、人も大勢います。ましてや流れ込む水は泥水の可能性がありますので、体験と比べると、もっと厳しい条件になるようです。一番怖いのは、人がパニックになることです。今回は、さほど苦労なく登れたのではないでしょうか?しかし、水圧を感じると、もし転倒したらどうなるか・・・考えられるきっかけになったでしょうか?現実でもあり得る光景です。

③では、水圧のかかるドアに対して、どの程度の水深まで対応できるか?という体験です。この場合も、水のみで、泥水を使っていませんので、実際にはさらに過酷な状況になることは想定できます。おおよそですが、泥水になると今回の体験の1.1倍の重さを感じることになるとのことです。また、今回はドアを開けると水は流れてしまいますが、実際には、水は減ることはなく、次から次へと押し寄せてきます。この点も、自然界とは大きくことなるものです。

最初は30cmから初めて、40cm、50cmと増やしていきましたが、50cmになるとほぼ開けることは困難になります。また、履物も長靴を使用しました。実際には、状況は大きく変わります。

この体験をいかして、水害にあった際には、どのように備えればいいのか、ということを考えるきっかけにしてください。

地球上では、温暖化の影響を受けて、大きく自然の状況が変わりつつあります。台風も大型化し、線状降水帯による大雨も増えている現状があります。身を守るためには、しっかりと事実を認識し、対応の術を知ることから始める必要があります。他にも、迫っている東南海地震や火山の噴火。日本は島国ですから、諸外国と比べても自然災害を多く被る国であることを忘れないでください。

京大防災研究所の皆さま、この度はお忙しい中ご対応頂き感謝いたします。また、参加された皆さんもお疲れさまでした。今後に活かしてください。