12月27日(金)に新潟県立高田高等学校主催の「令和元年度北信越SSH指導力向上研修会」へ行って参りました。
JSTや大学・企業等から11名、県教育委員会・センターから5名、他校から25名の方が出席された活気あふれる研修会でした。
新潟県立高田高等学校は創立145年の伝統校。
SSH指定第2期2年目で「探究する高田~科学的探究による深い思考力と国際交流による高い表現力の獲得、そして世界に向けた「第一義」の追求~」とのテーマで研究開発に取り組まれています。
午前の部ではまず『上越サイエンススタディ』のプログラムをご紹介いただきました。
上越サイエンススタディとは、「実験を重視し、地域の科学史をテーマとするクロスカリキュラム科学学習」です。
新潟県の雪による災害に関する「雪と氷の科学」やお酒に関するする「発酵」などのテーマを扱っておられます。
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《発酵/1学期》 新潟県出身の坂口 謹一郎(酒の博士として知られる)氏に関するDVD視聴、甘酒の生成と糖度測定etc.
《雪と氷の科学/2学期》 ダイヤモンドダストの生成、過冷却実験、元南極越冬隊による講演etc.
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今回は「雪と氷の科学」の内容で、国立研究開発法人 防災科学技術研究所 雪氷防災研究センター長の上石 勲 様によるご講演と上越科学館館長の永井 克行 様によるダイヤモンドダストと過冷却の実験を生徒とともに拝聴・見学させていただきました。
午後の合同中間発表会に参加する他校の生徒も高田高校の生徒と一緒に実験等に参加していたことが印象的でした。
合同中間発表会の見学後、教員研修の部として地域に根差した探究活動の2件の実践報告(高田高等学校、福井県立若狭高等学校)が行われました。
・研究テーマの設定に際し、企業からミッションをもらう
・教員数が減少する中、どう地域の教育力を活かすか
・運営に際しどのような組織を作り、どういう意識を学校全体で醸成するか
などとても参考になりました。
また、最後に東京学芸大学教授の森本 康彦 様より「探究活動を探究する」との内容でプレゼンいただきました。
・そもそもなぜ「探究活動」を行うのか
・ペーパー試験の有用性と限界
・eポートフォリオと野球ノート
・学ぶ≠暗記や作業
・主体性をのキーワードは何か
パワフルで論理的でユーモアを交えた熱意溢れる圧巻のご講演でした。
高校への行きと帰りに冷たい大雨と傘が折れるほどの強風に見舞われましたが、非常に学び多き機会となりました。
企画・運営いただいた関係者の皆様方、貴重な機会を賜り、感謝申し上げます。
今回の学びを本校での取組に活かしてまいります。
(化学科:吉田拓郞)