昨日、1月28日(日)13:30から岸高ホールにおいて、府立久米田高校、羽衣学園高校と本校の3校の演劇部による「I・J地区合同冬の発表会」を開催しました。
13:30から久米田高校が「ロット」(作:露口春奈)を上演する予定でしたが、演者の一人が体調不良により、その時間は3校合同の交流会が行われました。全員が舞台上を歩き回りながら、目が合ったらハイタッチをする、誰か一人がポーズを決め名前を言うと他の全員が同じようにまねをするなどのアクティビティが行われました。
また、歩いている中、突然の合図により速やかに指定された人数のグループをつくり、2人組では「山」、3人組では「猫」、5人組では「龍」「象」を10秒間で表現することという指示も出されました。「童心にかえろう」との掛け声でスタートしたとおり、全員が教員の指示に対して、自分で周りの雰囲気・空気を感じ、楽しみながら活動していました。
14:25からは、羽衣学園高校が「夏になったらまた海に行こう」(作:向井あさひ)を上演しました。肺の病気で余命半年と宣告された女性と北の方?外国?から来たという男性が共に時間を共有する場面が時の流れとともにいくつかありました。特に、二人で行った2月の海を見て、女性が青くない海があるとは知らなかったといった言葉が印象に残っています。改めて、「命の大切さ」と「生きる目的」について考えさせられました。命あることに感謝し、精一杯生きなければなと感じました。
15:20からは本校演劇部が「嘘の道」(作:みつむらけいすけ)と「オーダー戦争」(作:みつむらけいすけ)の2本を上演しました。ともに、既成の短編劇とのことです。
「嘘の道」は、山へハイキングに来たカップルが道に迷い、同じ場所をぐるぐると回っていたところで、バッテリーが上がりそこにいた宇宙人と偶然に出会うという不思議な設定でした。ただし、宇宙人だということは最後まで分かりませんでしたが。男性、女性それぞれの設定も面白く、おばあちゃんに言われてリュックに熊よけの鈴を付け、おばあちゃんのためにツチノコを捕まえようとツチノコが好きな日本酒を道に撒いている、おばあちゃん子の男性。また、素敵な靴を履けば靴が素敵な場所へ連れて行ってくれるというママの言葉どおり、ハイキングにもヒールを履いて来る、でも実は黒帯だというマザコンの女性でした。
道に迷っていながらもそのことを認めない男性に対して女性は怒っている。また、互いにおばあちゃんのこと、ママのことをバカにしていると言い合っている。その二人の喧嘩を宇宙人が「分かり合えなくても、分かり合おうとすることはできる。仲良くすることもできる。」、「間違えたら来た道をまた戻ればいいではないか。」とカップルの間に入り、仲直りさせるという話しでした。互いにむきになって言い合うカップルと、それをおさめようとする宇宙人が滑稽でした。最後は道を教えてもらったにもかかわらず、また同じ場所に戻ってきてしまうという落ちでした。
「オーダー戦争」の舞台は飲食店。3人の女子高校生が噂になっている「スペシャルビックジャンボでらうまドドスコパフェ」を食べにやって来たのに、いざオーダーとなると、その内の一人が突然「シェフの気まぐれナポリタン」と言い出します。実はその一人がパフェを食べに行こうと言い出したというから面白い。他の二人は、何のためにここに来たのか、パフェを食べに来たのでしょうと必死で説得します。そこから、パスタを注文した一人と、もう一人が互いにバカ呼ばわりしている中で、話しがシェフにまで飛び、シェフまで大バカ扱いになってしまいます。
もう絶好だという話しが出てきたときに、残るもう一人が「こんなことで友達なくしていいの?私、二人といる時が一番楽しい。私は何を食べても楽しい思い出になる。」と言ったことで、二人の喧嘩はおさまり、仲良くパフェを食べようということになりました。しかしながら、仕切り直して注文したのが「シェフの欲張りペペロンチーノ」。二人が「え!」で終わるという落ちでした。実際にはなさそうで、でもありそうにも思える面白い話しでした。
本校の上演終了後には、合評会(感想や質疑応答)が3校で行われました。上演の感想だけでなく、舞台装置の作り方や演出の方法など、さまざまな意見交換が行われたと聞きました。お疲れ様でした。
今回、年度途中から演劇部に入り、この発表会が初舞台だという1年生がいました。その生徒が校長室に来て、この発表会のことを教えてくれたので、必ず行くから頑張ってほしいと伝えたところです。始まるまではさすがに緊張した面持ちでしたが、いざ劇が始まると初舞台とは誰も思わないだろうくらい、はきはきと喋っていました。「スペシャルビックジャンボでらうまドドスコパフェ」を早口言葉のように喋っていることには驚きました。役者だなと感心したところです。
部員が徐々に増え、演劇部の今後がさらに楽しみになりました。また今回、裏方の動きや部員どうしが声をかけている様子などを直に見ることができましたが、まさしくチームとして一緒に仲良く取り組んでいるのが素晴らしいなと感じました。
次回の公演は来年度に入ってからの新入生歓迎&3年生引退公演だとのことですが、その公演に向けて、素晴らしい劇を部員全員で創り上げていってください。楽しみにしています。