演劇部「新入生歓迎&3年生引退」公演を実施

 昨日、4月11日(木)15:45~16:15の時間帯で岸高ホールにおいて、演劇部が「新入生歓迎&3年生引退」公演を行いました。上演したのは「華麗な芸術家」で、2年生部員の水葉さんが書いたオリジナルの脚本とのことでした。

 登場人物は5人。堂仁加成(どうにかなる)高校2年生で美術部部長の「沖田タキオ」、タキオと同じ高校の1年生で野球部の「中川勝」、美術館で学芸員のボランティアをしているタキオの高校美術部先輩の大学1年生「坂口さな」に加えて、友達の展示を見に来ていた成陽仁成(なるようになる)高校の女子生徒2名です。

 場面は各高校から推薦された美術作品が展示されている美術館で、堂仁加成高校の代表作品が展示されている場所でした。それが堂仁加成高校から唯一推薦された美術部部長であるタキオの作品で、4本のそれぞれ趣の異なる棒の上に鳥が止まっているという芸術的?な作品でした。

 まずはタキオがその作品について喋り出した言葉が情熱的だがとても難しく哲学的な内容、一方で、口にカレーをつけ、ハンカチをあえて「ハンケチ」と言ってみたりなど、強烈な個性が溢れ出ていました。そのタキオが他校の2人への自己紹介で、「上から読んでも下から読んでもオキタタキオです」と言ったことに笑えました。タキオを演じているのが桶谷健生くんだったからです。このような笑いも入れながら、5人の個性を浮き出たせる様々な工夫とこだわりを持って脚本を書いていることがよく伝わってきました。

 話しがややこしくなったのが中川勝の登場です。その登場の仕方も、先輩であるタキオの作品が飾られるのをお祝いしようと、またサプライズのために半日ダンボールの中に隠れていたというのですから、衝撃的でした。ややこしくなったというのは、今回の堂仁加成高校代表の最終選考に残ったのがタキオと勝の作品であり、最終は勝の作品が選ばれたものの、前日に勝が風邪を引いたため、タキオの作品が展示されることになったというのです。勝にとっては本当にお祝いしたいという思いであっても、先輩であり美術部部長のタキオにとっては後輩の野球部の勝に負けたということを受け入れることができない・・・。芸術家っぽいという理由で「ハンケチ」というぐらい芸術的野心?のあるタキオのメンタルは勝の発言や行動によって崩壊していまい、結局、タキオは自ら自分の作品を木っ端微塵に壊してしまうことになってしまいました。

 ここまでタキオと勝の絡みを中心に紹介しましたが、演劇部部長の大石さんが演じるタキオの先輩の大学生も、他校の2人もとっても個性的でした。また、笑いのツボがいっぱい散りばめられていました。ちなみに、この「華麗な芸術家」の最後の言葉が、タキオの「久々にご飯でもしません?先輩は何食べたいとかあります?」に対して大学生のさなが答えた「カレーが食べたい。」でした。オチまでしっかりと考えられていました。

 今回、「新入生歓迎&3年生引退」公演として行われましたが、もっと多くの生徒たちに見てほしかったなというのが正直な感想です。それだけ劇として素晴らしかったということです。30分の劇でしたが、単に笑えるところだけではなく、考えさせられる場面や発言が多くあったと思います。考えさせられることも多くありました。脚本を書いた水葉さんにどのようなことを考えてほしかったのか、感じてほしかったのか聞きたいと思ったぐらいです。

 昨日、新入生歓迎公演があることを知らなかった生徒、すでに他のクラブに入部を決めた生徒もいると思いますが、何かをきっかけに興味・関心が広がることは多くあります。実は私も校長として本校演劇部の劇を見るようになり、その楽しさを見つけたような感じです。この間ずっと話していますが、いろいろなことに参加し、チャレンジしてください。

 さて、3年生部員の皆さん、お疲れ様でした。この2年間、演劇部にとっては全国大会出場という快挙を果たすなど、飛躍の年であったと思います。苦しかったことも多くあると思いますが、貴重な体験ができたのではないかと思います。この期間に演劇部員であったことを誇りに、この体験を今後の人生に活かしてもらいたいと思います。

 2年生部員の皆さんには、本校演劇部のこの勢いを継承し、自分たちが楽しみながら演劇に取り組んでいってほしいです。そして、今後演劇部に入る79期生の皆さんにも先輩と一緒に楽しんでもらえたらと願っています。演劇部の活躍に期待しています。

  

  

  

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