第74回大阪府高等学校演劇研究大会 報告

 11月9日(土)、10日(日)の2日間、貝塚市民文化会館コスモスシアターにおいて、第74回大阪府高等学校演劇研究大会Ⅰ地区大会が開催され、以下の9校が参加しました。

■11月9日(土)

 上演 1 府立貝塚南高等学校「Game」(作:戸口 愛実)

 上演 2 府立佐野高等学校「幼生のネオン」(作:柗園 多乃葉)

 上演 3 府立りんくう翔南高等学校「善と悪のトラスト」(作:土原 未來)

 上演 4 羽衣学園高等学校「幼馴染だから」(作:山崎 大地)

■11月10日(日)

 上演 5 府立信太高等学校「Kick the Can」(作:小林 愛美)

 上演 6 岸和田市立産業高等学校「オルゴールのジュルネ」(作:垣内 優里奈)

 上演 7 府立日根野高等学校「夏影のホワイダニット」(作:堺 花野)

 上演 8 府立鳳高等学校「罪状」(作:花田 光希)

 上演 9 府立岸和田高等学校「痛み入りますノーチラス」(作:水葉 智世)

 本校は11月10日(日)の最後の時間帯となる15:00から「痛み入りますノーチラス」を上演しました。私はその時間にあわせて、本校リビング部が岸和田駅前で参加する「秋のどんチャカフェスタ」に立ち寄った後、コスモスシアターに向かいました。会場である大ホールには、参加校の演劇部員や関係者をはじめ、多くの方が来られていました。

 「痛み入りますノーチラス」を観るのはもちろん初めてであり、どのような内容だろうと期待しながら行きました。特に、今回の脚本は2年生部員の水葉さんが書いたとのことで楽しみにしていました。といっても、コスモスシアターに向かう途中、岸和田駅で偶然一緒になった卒業生(演劇部員)から聞いて知ったのですが。

 幕が上がるとそこは、宇宙飛行士がゆっくりと月面を歩いている不思議な異空間でした(その時は月面だと分かりませんでしたが)。あと1年で地球が滅亡するという状況にあり、月へ移り住もうと、未来を背負う宇宙船「ノーチラス号」が開発されました。しかし、その「ノーチラス号」が墜落し、演劇部が練習する講堂に落ちてきたという設定でした。こうした状況に、大人たち(教員)はどうすればよいのか分からず混乱するばかりで、生徒たちに指示を出すことすらできません。

 一方、地球が滅亡する、宇宙船が墜落した、そんな先が見えない状況にもかかわらず、全員で演劇を続けたいと訴える演劇部員がいます。部長と他の部員、先輩である2年生と後輩の1年生などの立場の違い、一人ひとりの性格や考え方の違いが生み出す人間模様がうまく表現されていたと思います。

 現実のことなのか、空想の世界なのか分からない場面がさまざま展開する中、「たとえ意見が異なっても話しをすればよい」という言葉もありながら、部長を中心に演劇部員全員が宇宙船に乗って「未来?」にすすんでいくという結末でした。

 私は劇を観ていて、2年生の水葉さんが、地球が滅亡するという設定にして、岸和田高校演劇部が現実に抱える混乱を今回の劇に描いたのではないのかと感じながら、モヤモヤした気持ちでいました。とりあえず、全員が一つにまとまり歩み出したため、ほっとした気持ちになったことを思い出します。

 この「痛み入りますノーチラス」は「最優秀賞」を受賞し、大阪府大会への出場を決定しました。後日、大阪府大会に出場できることを聞いて、本当に嬉しかったです。

 その第74回大阪府高等学校演劇研究大会大阪府大会は、11月16日(土)、17日(日)の2日間、枚方市総合文化芸術センター 関西医大大ホールにおいて開催されました。本校を含めて、A〜Iの各地区大会において最優秀賞を受賞し、地区代表として推薦を受けた12校が2日に分かれて上演しました。

■11月16日(土)

 上演 1 府立枚方なぎさ高等学校「はなのにもんめ」(作:山中 天)

 上演 2 府立長尾高等学校「カノン」(作:萩原 一哉)

 上演 3 精華高等学校「-椿姫-大阪、ミナミの高校生2」(作:オノマリコと精華高校演劇部)

 上演 4 大阪女学院高等学校「さんずの流生」(作:温川 帆の香)

 上演 5 関西大学第一高等学校 「明日は明日の風が吹く」(作:浮邉 温)

 上演 6 府立豊島高等学校 「サマー婆ケーション」(作:三島 凪葵・高橋 陽菜乃)

 上演 7 府立都島工業高等学校 「扉はひらく」(作:出口 耕士朗・藤井 良平)

■11月17日(日)

 上演 8 大阪産業大学附属高等学校 「ウオアタマとぼく」(作:出田 修登)

 上演 9 府立淀川工科高等学校 「お前と最後の淀川釣り」(作:国則 由真)

 上演10 府立岸和田高等学校 「痛み入りますノーチラス」(作:水葉 智世)

 上演11 追手門学院高等学校 「足が飛んじゃうくらいハレルヤ」(作:馬場 祐之介)

 上演12 大谷高等学校 「えーるーる」(作:山本 心・髙杉 学)

 私も大阪府大会の雰囲気を味わいたいと思い、17日(日)枚方市総合文化芸術センターに行ってきました。関西医大大ホールは3階席まで含めると約1,500席ある、レンガの重厚感が感じられる素晴らしいホールでした。「最優秀賞」の学校が集まる大阪府大会であり、たくさんの人たちが観ていることもあり、ホール内はとても緊張した雰囲気が漂っていました。その中で、堂々と役を演じる生徒たちは凄いなと感心するばかりでした。

 大阪府大会の「最優秀賞」には、精華高等学校、都島工業高等学校、大谷高等学校が選ばれました。残念ながら、本校は近畿大会に出場することはできませんでしたが、大阪府大会に出場し、その舞台を体験できたことは、岸和田高校演劇部の今後のさらなる発展につながるものと考えています。

 これからも部長を中心に、部員全員がしっかりと話し合いながら一つになって、岸和田高校演劇部を盛り上げていってください。演劇部のさらなる活躍に期待しています。

 

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