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12月9日(木)PTA保護者・教職員合同講演会『子どもの自立のために親ができること、教師ができること~高校生が伸びるコツ、教えます~』

12月9日(木)PTA保護者・教職員合同講演会『子どもの自立のために親ができること、教師ができること~高校生が伸びるコツ、教えます~』を本校視聴覚教室で行いました。

本校着任以来の目標の一つだった保護者と教職員が同じ講演会で研修することが、今年度のPTA会長やPTA役員の方々の尽力と、本校人権教育推進委員会とPTA担当教員との連携で叶いました。

講師は、大阪府子ども家庭サポーターで社会福祉士・保育士の辻 由紀子さんです。大阪府立茨木高等学校のご出身で、お父さんは校長先生だったそうです。団塊ジュニアの1人として、勉強ができる子が良い子で、良い大学に入れば幸せになれるという当時の価値観の中、大人に言われる通りにしていれば幸せになれると言われて育ち、言われるままにある男性について行ったら、18歳で親に認められない結婚をし、19歳で出産、23歳でシングルマザーとなり、極貧の生活も経験されて、仕事、育児、家事をしながら通信教育で大学を2回卒業して社会福祉士や保育士の資格を取られ、現在は、小、中学校の相談業務や講演活動等で活躍をされています。24時間テレビやNHKおはよう日本などのマスコミにも多く取り上げられて、大変お忙しい中を本校の講演に来ていただきました。

講演では、自己紹介の後、子どものいる人ほど幸福度が低いという現在の日本の社会状況や、昨年4月からスタートしている高等教育(大学)無償化が余り知られていないことのお話から始まり、頑張って国立大学を出て有名大企業の正社員として勤務している娘さんの給料明細で4分の1が税金や社会保険料に取られていて手取り収入は限られている実態も紹介されました。少子化で社会が胴上げ型から肩車型に変わっていく中にあって、個人として社会と関係を持ちつつ生きていく社会的自立、精神的自立の大切さや、人は一人では生きていけないので、支える周りの支援力が人生を左右すること、人は群れで生きることのお話がありました。

そして、参加した保護者や教職員全員と対話でビデオをチェックしたり、絵を描いたり、移動させたりしながら、ものの見方、事実の見かたは、人によって見事に違うことを示されました。

そのうえで、怒っている人は=自分自身が困っている人で、困りごとを閉じ込めると怒りになること、叱ることは大事だが、行為を否定しても人格は否定してはいけないこと、行為を主語にして行為を否定すること、60秒以上は叱らないこと、叱る時に以前のことや別のことは持ち出さぬこと、二つ叱れば三つ褒めること、よその子には冷静に話すのに我が子には感情的になりがちなアンガーマネジメントの紹介や、子どもが自信を無くしてしまうと、どこかに逃げ場所を探すために、SNSのなりすまし恋愛サイト等で上手にほめられてデジタルタトゥーなど危険なことになりかねないことも指摘されました。

中高生は、発育曲線が急速に上昇して心も体も一気に変化して成熟するため、性の目覚め、性ホルモンが出る時期であり、もし性教育に悩んだら、とても参考になるYouTuberの紹介もありました。

最後に大切なこととして、人生に失敗は無い、経験が増えるだけであること、良い時の自分も悪い時の自分も大切にできるのが自己肯定感で、自分を大切にできるから相手を大切にできること、大切なのは信頼関係で、何でも話せると説教を受け取ることもできることなどのお話があり、『受援力』(他者に助けを求め、快くサポートを受け止める力。自分を傷つける人とは距離を置いて、自分を大切にしてくれる人のところへ、自分で行くこと)が大事であると話されて、「皆さんが幸せでありますように」と締めくくられました。

1時間半のお話しがとても短く感じる、充実した講演会でした。

「こころ」と「からだ」のしあわせブックという、子どもをいじめや犯罪・SNS被害から守るための「性・生教育」ガイドブックも参加者全員にいただきました。

このあと個別相談をしていただく時間もありました。

講演後に、先生方から、今日のお話しは是非本校の生徒にも聴かせたいという話が出ていました。

辻先生、本当にありがとうございました。

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