第71回卒業式

一足早い春の雨降る中、本校第71回卒業証書授与式が挙行されました。

式では、校長先生が式辞の中で、先月亡くなられた本校卒業生である物理学者・米澤富美子氏の、本校100周年記念講演会での言葉を紹介。校長先生自身のメッセージとあわせて、卒業生へ餞の言葉が贈られました。

*学校長式辞【抜粋】(...中略)

...茨木高校の前身である茨木中学校が開校したのが1895年。当時は修業年限が5年ですから、1900年に第1回卒業式が行われています。...旧制中学校は第50回まで、新制高等学校は皆さんが第71回ですから、皆さんは第121回卒業生とも言えます。...いずれにせよ皆さんは、明治、大正、昭和、平成と四つの世代にわたって醸成されてきた茨高の空気の中で、互いに切磋琢磨しながら、そして互いを思いやりながら過ごしてきました。楽しかったこと、苦しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、茨高でのすべての経験を自信と誇りにして、今後ますます逞しく、自ら思う道を突き進んでください。...最後に、私からのメッセージです。私は集会などで話をする機会があるたびに、皆さんに対して、人としての在り方、生き方について問いかけてきたつもりです。どうかこれからも、自分の在り方、生き方にしっかりとこだわりを持ってください。自分がこれは大事だと考えることについては、妥協せずにこだわりを持ち続けるということです。また、皆さんには、迷ったときに立つべき自らの原点をそれぞれ持っておいてもらいたいと思います。私は、自分にとっての原点は校歌にあると思っています。そのことを自覚的に生きてきたわけではありませんが、きっと自分の心のどこかにずっと留まり続けてきたのでしょう。皆さんにも、節目の時には校歌の歌詞を思い起こし、まっすぐ前を向いてもらえればと願っています。「天つ空見よ」で始まり「国運たすけん」と結ばれる壮大な歌詞の校歌を歌い継いできた茨高の空気の中で、かけがえのない時を過ごしてきた皆さんは、自らが120年にわたる連続の歴史の中に身を置いているということを自覚し、短期的なことや表面的なこと、世俗的なことにとらわれずに、本質を探り、そして、国の命運にとどまらず、人類の命運を、この星の命運を意識して、「志」を高く持ち続けてください。

卒業生の答辞では、3年間の成長、家族への感謝、同期の仲間達への感謝、茨高への想い、そして在校生へ繋ぐ熱い想いが語られました。一つひとつの言葉に茨高で過ごした3年間の思いが詰まっていました。

式の最後では、71期卒業生が自分たちで作詞、作曲した卒業歌「道しるべ」を合唱。この高校生活3年間で成長した姿を、参列者全員に見せてくれました。

*71期生卒業歌「道しるべ」(2番を紹介します)

カメラロールを振り返る きみとともに 眺めた景色

うさぎ見つけた ぼくたちは いつも夢中で 追いかけた

本気でぶつかり合った日 BC目指し踊った日

喜び分かち合った日 その全てがぼくらの世界を彩って

どんな嵐もはねのける強さ きみが教えてくれたんだ

重ねた日々が実を結び わたしの道ができている

今 新たな始まりのチャイム きっとまた会う その日まで

重ねた日々を 抱きしめて それぞれ歩む 未来へと

最後に言うよ ありがとう

それぞれの思いを胸に、茨高から新しい世界へと飛び立っていく71期生のみなさん、卒業おめでとうございます。みなさんの活躍を心から祈り、心から楽しみにしています。