実施からかなり経ってしまいましたが、8月1日(月)~3日(水)に実施した「鳥類フィールドワーク」について報告させていただきます。
7月27日(水)から1泊2日で実施した「SSH東京方面サイエンスツアー」とは別に、8月1日(月)から2泊3日でSSH事業として鉢伏高原・氷ノ山へ「鳥類フィールドワーク」に行ってきました。今回は9名の生徒が参加してくれました。
「鳥類フィールドワーク」は、平成29年度から3年間は台湾にて行いましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、令和2年度は沖縄県(石垣島・西表島)、令和3年度は鹿児島県屋久島で研修を行いました。
今年度は兵庫県の鉢伏高原・氷ノ山で研修を行いました。氷ノ山は兵庫県最高峰で標高が1510mあり、ブナ・ミズナラ林が広がり、鳥ではイヌワシやクロジ、ウソ・マミジロ、メボソムシクイなどが繁殖し、植物ではキュウシュウコゴメグササンカヨウ、ミヤママンネングサ、ダイセンキャラボクなど、昆虫ではミヤマサナエ、ミヤマアカネ、ルリボシカミキリ、オオチャイロハナムグリなど、大阪ではなかなか見ることができない希少な生物がたくさん生息しています。また、宿舎周辺及び鉢伏山は、バイカモやウスイロヒョウモンモドキの生息地として有名です。
この「鳥類フィールドワーク」では、豊かな大自然の中で、そのような普段見ることができない植物や野鳥、昆虫などの観察や調査による生物に関する知識の向上や調査技術の習得とともに、グループ活動に伴うコミュニケーション能力、研究発表によるプレゼンテーション能力の向上をめざしています。
8月1日(月)の初日は午前7時30分に学校を出発しました。下の写真は出発時の見送りの際に撮影したものです。参加した生徒全員がこれから体験することへの期待に胸を膨らませ、楽しそうに出発していきました。昼前に宿舎に到着、昼食後、鉢伏山を散策し、夕食後に灯火採集と星空観察を行いました。
2日めは朝から車で移動し、大段ケ原登山口から動植物を観察しながら氷ノ山山頂へ。昼前に山頂に到着し、その後休憩も入れながら下山しました。夕食後は灯火採集と星空観察を行いました。
3日めは宿舎周りの自然観察と葉の採集を行いながら、持ち寄った植物が何かを図鑑で確認しました。昼食後宿舎を出発し、17:15頃学校に帰ってきました。
私が学校で出迎えた際には、暑い大阪に帰ってきたことや2泊3日の活動もあり、皆がぐったりと疲れた様子でしたが、それぞれに充実感や満足感が感じられ、とてもよい体験をしてきたことが確認できました。
今回の研修を行った成果として、参加してくれた生徒が今後の課題研究の深化に活かしていくことができたり、生物への興味・関心をさらに高め、将来の進路にも影響するようなことになったりすればよいなと期待しています。