昨日7月27日(土)、学校設定科目「文理課題研究」において「ボッチャを通してバリアフリーを考える(仮称)」をテーマとした研究を行っている2年生3名を引率して、本校の担当教員1名とともに大阪体育大学を訪れました。
大阪体育大学教育学部の曽根 裕二准教授にお願いして、13:30から行われる「ボッチャ」の練習に参加させていただきました。曽根先生はアダプテッド・スポーツ(性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツ)を専門とされている方で、東京パラリンピックではボッチャのコーチにも選出された実績があります。今回参加させていただいた練習の場にも、この後開催されるパリ2024パラリンピックの代表選手の方も来られていました。
その方を含めて、当日は選手の方が5名来られていました。上から投げる方、下から投げる方、足で投げる(キック)方もいました。大阪体育大学の学生さんも多く参加されていました。そこに本校生徒3名と教員1名も合流して、一緒にボッチャを行いました。
生徒3名は最初にルールの説明を聞きました。その間、選手の方々はウォームアップをされていました。その後、ボッチャには3つの方法を駆使して戦うということを教えてもらいました。それが「アプローチ(白のジャックボールにより近く投げる)」、「プッシュ(自分の球を押し当てジャックボールに近づける)」、「ヒット(相手の球にあてジャックボールから遠ざける)」の3つです。その後、プッシュの練習を行いました。プッシュではラインの上に球を置き、その球にあてライン上を移動させる練習を行いました。またその後、ヒット&アプローチの練習を行いました。相手の球を遠ざけた上で、それよりジャックボールに近い位置に球を投げる練習です。私は横で見ていましたが、投げ方によって転び方が異なるので、距離感がとても難しいのは明らかでした。ただ生徒たちは練習している間にコツを掴んだらしく、アプローチについてはすぐにうまくなっていました。
その後、3人ずつ(生徒たちは別々)のグループに分かれて、まずは、1人4球とジャックボールの13球を投げて、何らかの文字または数字を描くという課題に挑戦しました。アプローチは慣れたというものの、文字を表現するまでの精度ではないため、どのグループも苦労していました。
そして3対3のチーム戦を2試合行った後、自由に個人戦を行いました。生徒たちは積極的に周りの方に声をかけ、試合をお願いしていました。パラリンピックに出場する選手の方にも声をかけ、勝負を挑んでいました。結構、いい勝負となった生徒もおり、その時には選手の方も真剣な表情で投げられていたのが印象に残っています。3人はボッチャのルールはもちろん、技術的な難しさなども体感したのではないかと思います。とても楽しそうに取り組んでいました。
ところで肝心の「ボッチャを通してバリアフリーを考える(仮称)」のテーマに関する学びについては、練習の途中で曽根先生から大きなヒントをいただきました。「バリアフリーのバリアとは、例えば、目が見えない、球を投げることができないなど、障がいによってボッチャができないこと。そしてバリアフリーとは何らかの手段によってできるようにすること。」だという話しです。
実際にボッチャでは、投げることができない人の場合には競技アシスタントのサポートを受けながら、「ランプ」と呼ばれる投球補助具(勾配具)を使ってボールを転がすことができます。当日は実際にその体験もさせていただきました。また、視覚障がいがある場合には、全員がアイマスクをして、視覚条件をそろえてプレイする「ブラインドボッチャ」というゲームがあると知りました。このお話しは今回の研究の重要ポイントになることは間違いないと思います。本当に行かせていただいて、よかったと思います。
今回、本校生徒の課題研究のためにご協力いただいた曽根准教授をはじめ、一緒にボッチャを体験させていただいた選手の方々、大阪体育大学の学生の皆様に感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
また、とても暑い中、大阪体育大学を訪れた生徒の皆さんと担当の先生、お疲れ様でした。この後、3人の生徒たちは今回学んだことを踏まえて、他の生徒に対して、ボッチャを通してバリアフリーを考えるための取組を行うとのことです。今後の展開と皆さんの行動力に期待しています。今年度末には曽根准教授に立派な研究成果の報告ができるよう、頑張りましょう!