「令和6年度GLHS合同発表会」 報告

 2月8日(土)13:00から大阪大学吹田キャンパスコンベンションセンターにおいて、「令和6年度GLHS合同発表会」が開催されました。グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)10校の代表生徒が各学校で取り組んできた人文科学、社会科学の領域に関する課題研究の成果を発表する場として、毎年開催されており、今年度で14回めになります。大阪府教育委員会が主催し、大阪大学が共催する発表会で、優秀な発表に対して、大阪府教育委員会賞、大阪大学賞が授与されます。

 昨年度初めて箕面キャンパスで開催されましたが、合同発表会の会場としてはやはり、収容人数が多く、スクリーンが大きく鮮明なコンベンションセンターがよいなと改めて感じたところです。

 開会にあたり、大阪府教育庁大久保教育監、大阪大学田中理事・副学長から挨拶がありました。その後、大阪大学関係者、大阪府教育庁関係者、GLHS10校校長の紹介が行われました。質疑応答に係る質問者として大阪大学の教授2名が、また審査員としてGLHS評価審議会委員、大阪府教育センター首席指導主事、大阪大学の教授・准教授3名の合計5名が来られていました。

 そして、以下の順に、以下の研究テーマの発表と発表に対する質疑応答が行われました。発表は英語のAbstractを含めて8分、質疑応答は4分という時間ですすめられました。

 高津  「英語力が上がる授業 ~モチベーションと点数の関係~」

 岸和田 「高校野球のあり方の提案 ~現場と運営の現状から~」

 北野  「働く女性とマミートラック ~女性活躍時代の課題と展望~」

 三国丘 「狗耕田と花咲爺 ~中国と日本の昔話を比較して~」

 天王寺 「人工言語Toki Ponaの魅力 ~人工言語Toki Ponaを知ってますか?~」

 豊中  「翻訳は窓である。 ~日本文学作品の魅力を発信する~」

 大手前 「ハンセン病に関する有効な教育法」

 生野  「夏目漱石が語る「個人主義の淋しさ」とその現代的解釈」

 茨木  「太宰治『人間失格』についての研究 ~「失格」することと「安心感」~」

 四條畷 「ボードゲームを使用した防災教育プログラムの開発」

 上記のとおり、本校の代表生徒は「高校野球のあり方の提案 ~現場と運営の現状から~」というテーマで発表を行いました。高校野球における様々な課題について、大阪府立高校のほか、他府県の私立高校などにもアンケート調査を行い、現状を把握・分析するとともに、その結果を踏まえて実際に大阪府高等学校野球連盟と日本高等学校野球連盟を訪れ、それぞれ地方大会、全国大会において課題と考えることについてインタビューを行いながら、自分たちが考える改善に向けた提言などを行っていました。最後の結論についても、うまくまとめていたと思います。今回発表した生徒4名はハンドボール部員ですが、高校野球のあり方の改善に向けて、真剣に考え、取り組んだことが伝わってくる素晴らしい発表でした。質問に対しても、的確に自分たちの言葉で分かりやすく回答していました。

 私はすでに1月25日(土)に本校で開催した「文理課題研究発表会」において地域・健康学域/地域学系の代表として発表したのを聞いていました。ただ、それ以降にも、話しが流れるようブラッシュアップし、また制限時間内に終えることができるよう説明内容を精選したことがよく分かりました。内容的にも課題と改善策を分かりやすく示し、発表としてもハキハキと喋り、とても聞き取りやすくよかったと思います。残念ながら表彰されるには至りませんでしたが、期待どおり、よく頑張ってくれたと思います。大勢の前で、また大阪大学の舞台で発表できたことは、4人の生徒たちにとってよい経験になったことと思います。ちなみに、大阪府教育委員会賞は天王寺高校、大阪大学賞は三国丘高校でした。

 10校の代表生徒の発表がすべて終わった後、審査の時間を活用して、7月27日(土)~8月3日(土)の8日間、GLHS10校の生徒3名ずつ計30名が参加したGLHS10校合同海外研修(サンフランシスコ研修)の成果報告が行われました。英語による発表であり、緊張したとは思いますが、全員が堂々と自信を持って発表していました。大勢の前で立派に発表できたことは大きな自信に繋がったと思います。今回のサンフランシスコ研修が参加した生徒たちにとって、どれだけ素晴らしいものであったのかがよく伝わってきました。

 海外研修の報告が終わった後、審査員である大阪大学の福田光順教授、GLHS評価審議会委員の環太平洋大学の浅野良一教授から講評がありました。その後、表彰が行われ、閉会となりました。

 私自身はこの「GLHS合同発表会」には第1回から主催する立場で参加しており、大阪府教育センター在籍中には審査員の経験もあり、ここ3年は校長として10校の生徒たちの発表を見てきました。GLHS設置当初から評価審議会委員である浅野教授もずっと見てきていただいた一人であり、講評の中で話しをされていましたが、この間、研究内容に加えて発表方法なども含めて、本当に発表のレベルが上がったと実感しています。特に今回は、表彰された2校以外にも、四條畷高校の生徒たちの楽しそうな研究活動と発表、さすが北野高校と感じた英語による発表をはじめ、すべての発表が素晴らしく、生徒たちが主体的に研究に取り組んでいることが伝わってきました。合同発表会の開始当初、人文科学、社会科学の領域に関する課題研究については、「これは研究なのか」と感じる発表もあったことを思い出します。

 今回参加し、ますます今後の発表が楽しみになりました。これからも、「生徒が互いに刺激を受け、切磋琢磨し、学習や進路に関する意欲を高めるとともに、問題解決能力やプレゼンテーション能力を向上させる」という実施の目的が、より高いレベルで実現できる合同発表会であってもらいたいです。

 今回、発表してくれた皆さん、お疲れさまでした。

 

 

 

 

 

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