「セレンディピティ」初回ガイダンスを実施

 4月10日(木)6限、岸高ホールにおいて、1年生を対象とした「80期1年生セレンディピティ(SD)初回ガイダンス」を実施しました。「セレンディピティ」は「思いがけない発見や偶然の幸運」、「価値あるものを偶然見つける能力」を意味する言葉で、本校1年生の学校設定科目の科目名です。生徒たちには、「思いがけない幸運」を引き寄せるためにも、様々なことに興味・関心を持ち主体的に行動する、また、積極的に多様な人たちと関わりをもつことなどに、心がけてもらいたいです。ちなみに、本校では、「思考力・判断力・表現力」、「課題発見・解決能力」、「協働して取り組む力」の3つの力の育成をめざし、すべての生徒が3年間を通して課題研究に取り組んでいます。

 1年生の「セレンディピティ(SD)」においては、課題研究の意義、研究のための基礎知識や手法を学ぶとともに、2年生で行う課題研究のテーマを検討し、研究計画を立てます。

 2年生の「文理課題研究」では、大学教員や卒業生、地域のNPOの方などからの協力や助言を得ながら探究活動をすすめていきます。

 3年生の「キャリアスタートゼミ(CS)」では、生徒一人ひとりが2年生で行った課題研究の内容を振り返りながら、論文などにまとめていきます。

 本校では昨年度から、各学年のこれら3つの学校設定科目を木曜6限に設定し(2年生は5・6限)、学年の壁を超えた縦割り型の探究活動を行っています。例えば、来週の17日(木)には、3年生が1年生に対して、自らの探究活動における経験やノウハウを伝える「研究ノウハウ発表会」を実施します。1年生は3年生4名からの話しを聞き、課題研究を実施する意義について理解するとともに、5つの学域(「数理・自然科学」、「情報・芸術」、「地域・健康」、「社会・異文化」、「人文・人間」)の希望順位を考える際の参考とします。

 当日の初回ガイダンスはSSH探究部の部長が進行しました。まずは「皆さんはどんなときに『楽しい』と感じますか」という問いから入りました。隣りどうしで話しをする時間がとられましたが、大きな声で活発に話しあいを行う姿が印象に残りました。その後、上にも書いた3年間の流れや身に付けてほしい力などについて話しがありました。

 そして、課題研究について実際にイメージしてもらえるよう、3年生の代表グループが、昨年度に行った課題研究の発表を披露しました。研究テーマは「サクサクな天ぷらづくり」で、昨年度1月に行った文理課題研究発表会の代表発表において、最優秀として「学校賞」を受賞した発表です。天ぷらをサクサクにするにはグルテンの形成を抑える必要があることを基礎知識として、実際に実験を行いながら検証していました。特に、サクサクかどうかは感覚的なものなので、それをいかに数値化するのかという点で工夫された研究でした。考察についても化学の知識をフル活用しながら論理的に説明していました。今後の展望も考えているようですが、ぜひとも、3年生になっても継続してもらいたいと願う興味ある研究でした。

 発表後にはSSH探究部長からのインタビューがありましたが、その問いかけにも的確に答えていました。なぜこのテーマに決定したのかは、グループの3人が「食べること」と「化学」が好きだという共通点があったからとのことでした。大変だったのは先ほど書いたとおり、食感を数値化するための方法で悩んだようです。また、1年生へのアドバイスとして、自分の興味あること、好きなことを探究してほしいという言葉がありました。3年生の皆さん、どうもありがとうございました。

 その後、プロジェクト"Nova"について参加生徒募集に関する説明がありました。"プロジェクトNova"とは、スーパーサイエンスハイスクール第Ⅲ期指定から開始し、今年度で4年めを迎えた、3年間を通してサイエンスリーダーを養成する新たなプログラムです。20名を定員としていますが、ぜひとも多くの生徒にプロジェクト"Nova"への参加に応募してもらいたいと願っています。

 そして最後に、3年生で作成する論文について、また論文集について紹介がありました。論文として形になることは素晴らしく、将来の力にもなるという言葉がありました。

 

 

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