1年生「薬物乱用防止教室」を開催

 1月22日(月)7限、大阪府警察本部少年課担当の方をお招きし、岸高ホールにおいて1年生を対象とした「薬物乱用防止教室」を開催しました。

 最初に、薬物の危険性について、禁止薬物は1回でも乱用であり死亡に至ることもある、また、自分のみならず周りの人たちの生活をも壊すことになるという話しがありました。

 次に、様々ある禁止薬物の中でも特に、高校生を含む若者に検挙数が増えている大麻について話しがありました。ここ数年、ニュースや新聞などで「高校生が大麻」といった報道が増えましたが、実際に大阪府内の20歳未満の検挙数が平成30年頃から急増していることがグラフで示されました。ちなみに、大阪府は全国1位だそうです。高校生にも大麻の危険が身近に迫っていることを実感しました。

 大麻は脳に大きなダメージを与え、学力や考える力が低下し、特に15歳以前に大麻を吸い始めた場合には、幻覚や妄想などの精神症状を伴う精神障害になる確率が4倍高くなると言われている。また、薬物には、薬物なしには生きていけなくなる「依存」、使えば使うほど量も回数もどんどん増える「耐性」、幻覚や妄想に長い間苦しめられる「フラッシュバック」の三大特性があるとのことでした。

 その後、その「依存」「耐性」「フラッシュバック」を実感させられるDVDを視聴しました。DVDでは、大学受験に向け勉強に励んでいた高校生が風邪をひき、友達から解熱剤だと勧められた薬物をジュースに混ぜて飲んだことが人生の転落の始まりとなりました。その薬物は友達が部活の先輩からもらった覚醒剤でした。飲んだ時には元気が出て、勉強にも集中できたのですが、薬がきれると集中できない。半年やめていたが、飲んだ時の爽快感を忘れることができず、ネットの記事を見て自ら購入してしまう。1回の薬物乱用がきっかけで「依存」から抜け出せず、どんどん量も回数も増え(「耐性」)、ついに罪を犯し刑務所へ。家族の生活も崩壊してしまう。2年間の刑務所暮らしから出てきた後も幻覚などの「フラッシュバック」でまた罪を犯すことに・・・。とてもリアルで衝撃的な映像でした。

 DVDの後、担当の方からは、皆さんに気を付けて欲しいこととして、実際に大麻を使用した少年に共通した3つの特長について話しがありました。

 1つめは、早くからたばこを吸っている。97%が喫煙者で、そのうち80%が中学生の頃から吸っており、その理由としては、意志の弱さやルールに対する規範意識の低さがあるとのことでした。そのため、たばこにも近づかないことが大切であるとのことでした。また最近話題になった「大麻グミ」についても触れられました。

 2つめは、中高が大麻の始まりである。4人に1人が中学生の頃から大麻に興味を持っており、友達や先輩からの誘いがきっかけで始めたとのことです。喫煙や飲酒をしているグループには近づかないなど、交友関係に注意することが大切であるとのことでした。

 3つめは、SNSで大麻の情報を検索する。大麻に対する偏った情報や大麻取引などの情報が氾濫しており、情報を鵜呑みにしないことが大切であるとのことでした。

 最後に、薬物から身を守るための3つの勇気として、「近づかない勇気」「断る勇気」「相談する勇気」を持ってほしいとのメッセージをいただきました。貴重なお話しをいただき、どうもありがとうございました。

 生徒たちは真剣に話しを聞き、DVDを視聴していましたが、どこまで「自分事」として捉えたのでしょうか。自分とは関係のないことだ、自分は決して近づかないと思っていても、DVDの高校生のように覚醒剤とは知らずに飲んだことがきっかけで・・ということがあります。「自分とは関係ない」と考えずに、常に危険に対する意識を持っておいてほしいです。

 また、ここ最近、市販薬を過剰に摂取する「オーバードーズ」が社会問題になっています。日頃の生活や人間関係など悩みを抱えている若者などが、現実逃避や精神的苦痛の緩和などのために、過剰摂取してしまう傾向があると言われています。たとえ市販薬であっても、過剰摂取することで禁止薬物と同様の「依存」や「耐性」の特性があります。担当の方が言われていた「近づかない勇気」「相談する勇気」が大切です。

 2学期終業式には「心のストレス」について一緒に考えようと生徒たちに話しをしました。日常の生活において、人間関係や学習面など、ストレスを感じる場面があると思いますが、生徒の皆さんには、自分自身の身体的・精神的な健康を第一優先に考えてほしいと考えています。

  

  

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