フォアキャストとバックキャスト

 先週、府立学校の校長・准校長が集まる会議がありました。その冒頭で大阪府の酒井隆行教育長から挨拶があり、その時に出てきた言葉が「フォアキャスト」と「バックキャスト」でした。

 「フォアキャスト」とは、現在や過去のデータから未来を予測する方法のことで、「バックキャスト」とは、未来の目標や状況を想定しそこから現在に戻って何をすればよいかを考える方法のことです。

 教育長は、大阪の教育の課題を解決するための観点をこの2つの言葉で表されたのですが、高校生活でも同じことが言えるのではないでしょうか。

 例えば、高校に入学してから卒業するまでを考えてみると、「フォアキャスト」的には、現在の興味や学力の状況から進路を考えることになり、「バックキャスト」的には、卒業後こうなりたいから今から何をしていこうと考えることになります。どちらも大切であることは言うまでもありません。

 近年、地球環境問題など予測困難な事案が生起していて、フォアキャスト的思考だけでは未来を予想できないと指摘する声もあるようです。未来の像を大胆に描いて、それを実現するために今何をするかを考える「バックキャスト」的思考とを相互補完的に使う必要があると改めて思いました。