本日終業式・年末年始の学校閉庁日

本日、2学期の終業式を行い、私から生徒に次のように話をしました。

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 今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、通常の学校生活への大きな影響がありました。先日皆さんに協力していただいたアンケート結果でもそのことは表れていました。

 「学習の遅れ」を約半数の人が感じており、今不安に思うこととして、半分弱の人が挙げたのが「成績のこと」「進路のこと」でした。このデータを先生方で共有し、今後の学校の運営に活かしていきたいと思っています。また、1・2年生にとっては来年度の学校行事についても関心の高いところですが、昨年度までの行事予定を通常通り行う方向で計画していきたいと思っています。

 このように新型コロナウイルスの世界的な感染は、わたしたちは勿論、人類にとって大きな試練ですが、歴史の転換点となる事象かもしれません。

 歴史の転換期にはよく、「変革」、英語で言うと「イノベーション」という言葉が使われます。産業界などでイノベーションを生み出す方法として「デザイン思考」という考え方があります。今日はその「デザイン思考」について話をします。

 何か新しいことをしようとする場合、現状を把握して、そこからいかに改善すればどんな効果が得られるかを考えるという方法がこれまで一般的でした。

 しかし、そのような方法では、これまでにない斬新なアイディアは生まれないといいます。

 「デザイン思考」では、現状を改善するということから始めるのではなく、人々が幸福になるためにはどんなことが必要かといった根本的なニーズを、人々にインタビューするなどして把握することから始めます。

 そして把握したニーズを、「成果より意義を大切にする」、「論理で解決するのではなく人々が共感できることを重視する」「機能だけでなくデザインの良さにポイントを置く」、言い換えれば「まじめだけでなく遊び心も大切」にという観点で整理します。

 整理する際には、文字だけではなくイラストなどの図でまとめて作業をすることをこの本では勧めていました。

 みなさんが勉強や部活動などをする際、決められたことを効率的に行なうケースでは「デザイン思考」はあまり役立たないかもしれません。しかし、これまでに経験したことのない困難な問題に直面したときに、まったく新しい観点で解決方法を見いだすようなケースではこの方法が役立つかもしれません。

 「デザイン思考」のポイントは、「成果より意義を重視」、「論理より共感」「まじめだけでなく遊び心」です。

 それでは短い冬休みですが、有意義なものとなるよう祈念し、10日後の1月4日の3学期始業式でお会いしましょう。

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 今年度は4・5月の臨時休業に伴う授業日数確保のため、夏休みの短縮や土曜考査などを行なっていますが、冬休みも同様に短縮し、12月26日~1月3日となります。

 また、その一方で、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大状況やそれに伴う保健所・医療機関等の負担にも配慮する必要があることなどを踏まえ、12月28日(月)~1月3日(日)の7日間は学校閉庁日とし、部活動を含め教育活動は休止させていただきますのでご理解ください。

 ※ 今年の校長ブログは本日で終了し、お休みをいただきます。お読みいただきありがとうございました。