自分の考えをきちんと伝える若者たち!

 生きにくい世の中になったと言われて久しいです。ある大学の先生が以前に言われていたことには、今どきの大学生は、目立つことを極力避ける。とても優れたレポートがあって、それを大学の講義の中で紹介したら、それを書いた学生が、「ああいうことはやめてほしい。」と言ってきたそうです。この話を知って、特に驚きませんでした。いつからでしょうか、目立つことを恐れ、みんなと同じであることに気を配るようになる高校生が増えてきたと思っていたからです。ここ数年のことではありません。元々、日本に住む人たちは、島国ゆえか、同調することをよしとして、和を乱すことをよしとせず、自分の意見を主張しすぎない、もっと言えば、自分の気持ちを押し殺してでも周りに合わせないと生活が成り立たない・・・というようなところがあり、「大人の処世術」的なことは当たり前だったと思うのですが、「そんな大人に反発する若者」という図式がかつてはありました。でもいつ頃からか、子どもも若者も自分の思いをストレートに伝えることに躊躇する社会になってきました。

 昨日教育実習生の授業を見学していた時に、「答えのない問いに真摯に向かうことの大切さ」について、ストレートに、でも押しつけがましくなく生徒に伝えてくれているということがありました。とても嬉しく、「若者も自分の思いをストレートに伝えることに躊躇する社会になってきました」なんて、わかった風に思っていた自分を反省しました。

 そして、今日、能勢分校で19時半から会合がありました。能勢の高校を守る会であり、能勢を活性化したいという思いの皆さんが集まっている会に、本校の校長として参加しました。その会議の中で、二人の若者が、本当にストレートに核心をついた意見を誤魔化すことなく、明確に発言するということがありました。久しぶりにこういう前に進める意見を聞いたなと思いました。正直、この会議、夕方に学校を出て、分校まで行き、家に帰ると日付が変わるかどうかというハードなものなので、「老体に鞭打って」感があるのですが(笑)、今日は、元気をもらいました。

 豊高生の皆さんは、自分の思いや意見を押し殺さずに伝えることができていますか?もちろん、なんでもかんでも言えばいいと言うものではないというのは、わかると思いますが、変に遠慮したり、同調圧力に屈したり、目立って自分に責任がかかるのは嫌だと思ったり・・・色々な場面があると思うのですが、自分にとって譲れないものがある時は、きちんと主張できる人になってほしいと思っています。もちろん周囲の考えにも耳を傾けながら。また、しんどい時、それは無理と思う時も、遠慮せずに、我慢せずに伝える勇気を持てたらいいのにと思います。もちろんそれは、個人の問題ではなく、そういう環境が作れているかという問題もあるのですが。

 ここまで仕事をしてきた私が思うことは、自分にとって大切だと思うこと、譲れないと思うことは、我慢したり、誤魔化しては駄目だということです。その伝え方は工夫がいるとは思いますが、でも、周りを気にしてばかりいては、「成るものもならない」というのが私のこれまでの経験からの答えです。人それぞれですが、自分なりの伝え方を試していってください。皆さんには、まだまだ失敗から学ぶ時間がありますよ!