自分を信じること

 「暑い!」という以外の言葉を発することはあるのだろうかと思わずにはいられないくらい暑い夏が長く続きましたが、当たり前のことではありますが、季節は進み、秋が少しずつ深まっています。今週は、長袖はまだ早いかな、半袖の上に羽織がいいかな、と迷いましたが、いつもブラウス1枚で過ごす期間が少なくなってしまうことを思い出し、長袖のブラウススーツで通勤したら、長袖で十分でした。今日はさわやかな一日でしたね。

 今は、教職員の方々と短時間ではありますが、面談をしています。校長になる前、教頭をしている時は、「校長になったら、責任は重いけれど、校長室でどっしりと落ち着いて、教職員の方々と色々話しをしたり、内外の変化に敏感になるためにじっくり情報を集めて勉強したり、そういう時間がたっぷりあるんだろうなあ」と、常に仕事に追われる教頭業務をこなしながら、思っていたものでした。それでも教頭という仕事は、事務処理は山ほどありますが、それは「こなさなければならない仕事」であって、それよりもいつも教職員の方々のそばにいて、色々な声を聴き、また教職員の方々を通して生徒の皆さんの声を聴き、それを校長に伝えることが重要な役目だと思っていて、できる限り教職員の方々と話しをする時間をたくさんとっていました。そういう教頭という仕事を私はとても気に入っていました。校長になったら、立場は違えど、もっともっとそういう時間がとれるのだろうと思っていました。でも、現実は、なぜかバタバタしてる時間が多く、自分が思うほどじっくりお話を聞く時間がないなというのが9年間校長を続けていての実感です。できる限りタイムリーにお話をする機会をとるように心がけてはいるものの、思うようにはいかないというのが現実なんですね。1年に最低3回は全員と面談をすることになっていますので、2回目の今回は、教職員の方々も忙しい合間を縫って、面談の時間を設定させてもらっています。その中で感じることは、一人ひとりの教職員の方々が、多忙な中でもそれぞれの自分の持ち場で、自分が関わっている生徒の皆さんが少しでも前に進めるようにと思い、考えたり、悩んだり、寄り添ったり、行動したりしておられるということです。今、教師の仕事はブラックだと言われ、教職をめざす人がどんどん減っている現状があります。実際、「働き方改革」を推進せよというなら、様々な「企画」を遂行することを求めるより、人を増やす、お金をつぎ込む、環境を整えることが先ではないかとずっと思っています。当然日本中で、多くの人がそのことを言い続けていると思いますが、一向にその方向に進まないのはなぜなんだろうと思います。あきれてはいるけれど、あきらめてはいけないので、言い続けることは大事だと思っていますが、いい加減、ちゃんとしてよ!と思います。そんな中でも、教師という仕事を志して、教師という仕事を続けている私たちは、やはりプロフェッショナルとしてプライドを持って仕事をしているのだと思います。ベテランも中堅もそして経験の浅いこれからの方も、それぞれのポジションで、できることは何なのかと考えながら、日々真摯に仕事と向き合っているのです。面談を通じて、改めてそういうことを感じることができ、私も最後まで自分を信じることを続けてがんばろうと勇気づけられます。

 豊高生の皆さんの中にも教職をめざしている人がいますね。環境はもっともっと改善されるべきだとは思いますが、それでも自分の一生の仕事としては、やりがいのある仕事だと私は思います。がんばってほしいと思います。