英語初任者研修~指導教諭の授業公開

 本校には、英語科に指導教諭が配置されています。指導教諭というのは、教科のことに関して、校内だけでなく、大阪府全体の教科指導力向上に貢献するという使命があります。その指導教諭の役目のひとつとして、本年度大阪府に新規採用された先生方の授業力向上のために、公開授業を行うというのがあります。本日の午後、本校で英語科の指導教諭による公開授業が行われ、30名近くの初任の英語科の先生方が参加されました。

 残念ながら、私は月に1回の一日出張日と重なってしまい、見学することが叶いませんでしたが、指導教諭の先生は、担任もされていて多忙な中、今日のために準備を入念にされていました。明日、どんな様子だったか教えてもらおうと思います。

 初任者だけでなく、どんなベテランの先生だったとしても、他の先生の授業を見学して、自分の授業改善のヒントを得ることは重要なことだと思います。また、担任をしているクラスの他の教科の先生の授業を見学することによってクラスの生徒の新たな一面を知ることができたり、自分が授業をしているクラスの他教科の先生の授業を見学して、教科はちがってもヒントを得ることができたりと、様々に自分の授業を改善するヒントが得られるのです。私は、首席をしていた学校で、他府県の取組の「互見授業(ごけんじゅぎょう)」を取り入れて実施された経験から、教頭になってからずっと勤務した学校すべてで、互見授業を取り入れてきました。いずれもそういう取組がなかったり、あってもうまく機能していなかったりだったので、まずは互いに気兼ねなく授業を見学して、授業について気軽に話し合う機会を設けることから始めました。なかなかベテランの先生に授業を見学させてほしいとお願いしにくい場合もあって、遠慮していた先生方にはいい機会になりました。それをもっと授業力向上に効果的に進めて行くには、校長がやれというのではなく、先生方の中から必要を感じて取り組んでいく環境が大事です。たとえば、授業見学週間はあったけれど、ほとんど見学する人がいないという状況だった学校で、まずは強制力を持って「互見授業週間」を各学期に設けて必ず見学して、感想を見学させてもらった先生にメモして渡すということから始めます。批判ではなく、よかった点や参考になった点、もう少し詳しく教えて欲しい点などを伝えて、話し合う機会を設けることが目的です。そんな状況だったある学校で、2年目に「組織的な授業改善までにできていない」という批判をされた先生がいました。私は、「それは校長が強制すること?」と思っていました。きっかけ作りは校長の仕事だと思います。そこから、自分たちの授業力を向上させていくいには、一人ひとりの教員がその気になって、自分たちがやりやすい形を工夫して取り組まないとだめだと思います。そういう意味では、粘り強くアプローチしようとしていた経験の浅い先生方がいた学校で、その後その学校でどうなっていったかとても興味があります。

 本校では、授業見学週間が設定されていて、感想を伝えて話し合いましょうという取組があり、もうすぐ実施されることになっています。どんな風に先生方が取り組まれるのかとても楽しみにしています。校長が強制するのではなく、先生たちが必要だと思って取り組むことが当たり前の姿だと思うからです。

 高校生活の中で、授業が占める時間は圧倒的に多いですよね。その時間が、充実したものであるかどうかは、生徒の皆さんにとっては死活問題だと思います。何より授業が命だと思います。4月に本校に着任して、先生方が授業に対して真摯に取り組んでおられると感じています。それは当たり前のことなのですが、「当たり前のことを当たり前にすること」がどれだけ力がいることかは自明のことだと思います。