第40回 入学式 ③

40期生に向けた、私からのメッセージ(式辞)です。(*^。^*)

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今年は一足早く、先日の合格者登校の日に、新入生の皆さんをお祝いするかのように桜の花も満開になりました。満開の時期は過ぎましたが、まさに春爛漫のこの佳き日に、「もずの会」はじめ、同窓会、PTAご来賓の皆様のご臨席を賜り、第40回入学式を挙行することができますことは、学校にとりましても大変心強く喜ばしいことであり感謝に堪えません。高いところからではございますが、ご来賓の皆様方には厚く御礼申し上げます。

さて、新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんは、本校創立40周年という記念すべき年に入学されました。

孔子が晩年に振り返った言葉として、『論語』に「子曰く、吾十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る。(以下省略)」という言葉があります。意味は、「私は十五才で学問を志し、三十才で学問の基礎ができて自立でき、四十才になり迷うことがなくなった。五十才には天から与えられた使命を知った。(以下省略)」という意味です。本校も「四十にして惑わず」の通り、今まで培われた伝統を引き継ぎ、現在の取り組みをさらに発展させながら、迷うことなく前進していきたいと思っているところです。

さて、40期生としての皆さんが、これからの高校生活を送るにあたり、常に意識をして心掛けてほしいことが二つあります。一つ目に、「努力し続けることの大切さ」、二つ目は、「自己を磨くことの大切さ」です。

 まず、一つ目に、「努力し続けることの大切さ」について。

一昨年度から、特に入試制度が変わり、前期・後期を通して、志望校の決定については、随分と悩み考え抜かれたのではないかと思います。そして「合格」という栄冠を見事に勝ち取るための原動力として、本校に「入りたい」という大きな目標があったのではないでしょうか。言葉を言いかえれば「志」があったのではないでしょうか。

「志」とは目標を高く掲げ、努力し、成し遂げることです。高い志とは、自分の力で目指すことができる「より高い目標」のことです。

一人ひとり「やれば出来る」力は持っていると思います。「やらなければ出来ません」「出来ない」のは、やらないからです。「出来ないから、やらない」ではなく、「出来ないからこそ、やる」のではないでしょうか。

チャンスは平等に与えられています。1日24時間という時間はすべての人に平等に与えられています。しかし、その時間をどう過ごすのかはその人自身の問題です。その結果、一生懸命努力した人にはその分の成果が表れ、努力しなかった人には、それなりの成果しか表れません。「チャンスは平等に与えられ、結果は公平に与えられるのです。」努力精進している人を周りは見逃しません。そいう人のところに実はビッグチャンスが訪れるのです。

「努力をしても報われない。」という人がいますが、私はそうは思いません。努力したならば、それは何らかの形で必ず残っているのです。オール・オア・ナッシングということはあり得ません。「努力は決して裏切らない」という言葉を胸に刻んでほしいと思います。

サミュエル・スマイルズが著した『セルフ・ヘルプ(自助論)』という本には、努力は必ず報われると教えています。「天は自らを助く者を助く。」という格言の中に、すべてが包含されているように思います。自分自身を助けるというのは、よく自主自立して、他人の力に頼らないということです。自助の精神は、人間の才智が生まれてくるための根源です。そのことから推論すれば、自助の精神が具わった人が多ければ多いほど、その国、その社会は必ずや活力に満ち、強く盛んになるはずです。他人の援助を受けて成就したものは、その後衰退していくのが常です。

二つ目の、「自己を磨くこと」について。

高い志をもって、頭脳を磨き、心を磨き、体を鍛えつづけてもらいたいものです。経営学者ドラッカー氏は「知識は絶えず磨かれ鍛えられ、育まれなければならない。怠れば衰退あるのみ。」といっています。 知識は、授業を受けたり本読んだりして、知識を深めようと努力しなければ、それ以上の発展はないのです。つまり、知識や技能は、磨きつづけることによって、その人の進化や発展があるというものです。

例えば、「剣というのは、砥石にかけて入念に研ぎあげなければ、鋭い切れ味がうまれてこない。」ということです。つまり、鋭い剣でも長い間、ほったらかしにしておけば、錆びついて使い物にならなくなってしまうという意味です。 だれもが磨きつづければ、立派な人間に成長するということです。「切磋琢磨」という言葉がありますが、「切」は、獣骨や象牙を切る。「磋」は、それをみがく(こする)。「琢」は、玉や石を鑿で形をつける(きざむ)。「磨」は、それをみがく(くだく)。つまり、象牙や玉を磨くように、自分自身で自ら、学問や人格の向上に努力することを言います。

このように、これからの学校生活において、授業はもちろん生徒会活動やクラブ活動の中で、何事に対してもつねに目標を高く掲げ、自助努力の精神を忘れないで、粘り強く挑戦し続けてもらいたいものです。

また、今年は阪神淡路大震災から20年、東日本大震災から4年という年になりました。震災後、特に思いを強くしてほしいのは、皆さんとっては、一日一日が平凡な日々であっても、不自由なく送れることに感謝したいものです。そして、学業に専念できることは、この上ない幸せだと思います。この幸福感を高校生活の推進力として、学校生活を充実させ大きく飛躍することを期待しています。

さて、保護者の皆さま、改めましてお子様のご入学を心よりお祝い申し上げます。今日まで限りない愛情を持って育ててこられ、時にはご心配やご苦労があったことと思います。お子様の高校生活が健康で有意義なものとなるよう教職員一同、教育に情熱を傾け邁進する覚悟でございます。私は、教育が人間を創ると信じている一人です。若い人たちに、夢とロマンと、精進、勇気の大切さを伝えていきたいと思っています。卒業までには、厳しいこと、つらいこともあるかと思います。そのような時、皆様方のあたたかいご支援ご指導が、何よりも生徒たちの励ましになると思います。生徒の皆さん一人ひとりが心身共に豊かに成長していくためにも、何卒ご支援を賜りご協力の程よろしくお願い致します。

 最後に、新入生の皆さんに次の言葉を紹介して結びにしたいと思います。

「学校という名の花壇に生徒という種をまき、絆という名の肥料をまく。するとそこには、友達という芽が出て、親友という葉がつき、友情という花が咲く。」

これは、以前にある生徒から教えてもらった言葉です。

新入生の皆さんが、この学校でたくさんの友情という花を咲かせ、自らも高い志を持って自助努力の精神を磨くことの出来る高校生活が送られることを心から期待して、式辞と致します。

平成27年4月8日

大阪府立東百舌鳥高等学校

                         校長 牧野 浩二

 

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