第38回 卒業式 式辞

1組から順番に、担任の先生から、一人ひとり名前を読み上げていただき、308名の卒業生代表の西村京華さんに、卒業証書を手渡しました。

西村さんは、ダンス部のキャプテンでもありました。

38期生308名を加え、本校卒業生は総勢15788名となりました。

せっかくの晴れの卒業式にも関わらず、当日、不覚にも風邪で喉を傷め、ガラガラ声で大変失礼をいたしました。

写真は、写真部顧問の神野先生撮影です。

1Y4A0098.jpg

1Y4A00528.jpg

1Y4A0040.jpg

1Y4A0104.jpg

第38回卒業証書授与式 式辞

玄関横の「しだれ梅」も蕾から花が開きはじめ、新たな命を育む春の息吹を感じる今日の佳き日に、大阪府立東百舌鳥高等学校第三十回卒業証書授与式を挙行するにあたりまして、大阪府教育委員会を代表して、大阪府教育委員会事務局主任指導主事岡本泰宜(やすたか)様をはじめ多数のご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜りました卒業生はもとより本校教職員一同にとりましても心からの慶びであります。高いところからではございますが、心から厚く御礼を申し上げます。

 さて、ただ今、所定の課程を修められ卒業証書を授与された三〇八名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。本日こうしてめでたくこの日を迎えられたことに対して心からお祝い申し上げます。また、これまで成長を見守ってこられた保護者の皆様におかれましても、本日の晴れ姿をご覧になって、さぞかしお喜びになっておられるものと拝察し、心からお慶び申し上げます。

また、今年度、本校はめでたく創立四十周年を迎えることができました。記念事業として、全普通教室に電子黒板機能付き短焦点プロジェクターの設置など、PTA、同窓会、もずの会の皆さま方から、多大なるご支援を頂きましたことに、改めて感謝申し上げます。

卒業生の皆さんは今、過ぎてしまえば長いようで短かった三年間のたくさんの想い出とともに、輝かしい未来にむけて、夢と希望に胸ふくらませ、この場に臨んでいることと思います。

私事で恐縮ですが、本校へ着任してまだ二年ですが、学校祭や修学旅行などの行事やクラブ活動を通して皆さんとはすでに三年間を共に過ごしたような錯覚さえ覚えるほど、深い縁につながっているような感慨深いものがあります。今回の卒業証書も昨年に引き続き、僭越ながら、私が自ら筆を執って一枚一枚、気持ちを込めて皆さんの名前を書かせて頂きました。一人ひとりの写真を見ながら進路状況と重ね合わせて、その成長ぶりに思いを馳せながら書かせて頂いた時間は、本当に幸せな瞬間でした。三十八期生の皆さんからは、私もたくさんの元気を頂きました。あらためて「ありがとう」と言わせてください。

 さて、これから皆さんが巣立っていく社会は、いったいどのような時代になっていくのでしょうか。二十一世紀は、「グローバル化」「情報化」「多様化」が、かつてない速度で進行しています。情報伝達のスピードが飛躍的に高まり、技術が革新されたために、ある地域に限定された有利な環境や利便性、その地に居るからこそ保障されていた参加者の優位性がことごとく覆されて「地の利の便」が壊滅しようとしています。世界中のどこに居てもインターネット環境さえ整っていれば、世界中で起こっていることが、瞬時に情報共有することができるのです。

十年前に、十年後には実現するであろうと言われたテクノロジーは全部完成し、それ以上に進んでいます。世界のテクノロジー企業で二〇一二年の成長率がそのまま続けば、二十一世紀の百年間に二万年分の成長が起こるとも言われています。実際に、運転手が手を放しても車が自動運転をし、パイロットが操縦しなくても飛行することができる技術はもうすでに現れています。さらに今世紀中には、ロボットが自分で会社を作って社長になる、そんな事態が起こると予想されています。

アメリカのデューク大学の研究者であるキャッシー・デビッドソン氏が語った予測が波紋を呼んでいます。「二〇一一年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの六十五%は、大学卒業時に今は存在しない職業に就くだろう。」というものです。ジャンルの異なる仕事についてもやっていけるためには、それだけ多彩なスキルが必要です。私たちは、この変化の速度に対応できる能力、態度を身に付けなければ生きていけない時代になっているのです。このような状況にあって大切なことは、自己をしっかり見つめて見失わず、常に自己を磨く努力を怠らないことです。

さて、話が変わりますが、東日本大震災からはや五年になりますが、震災後に被災地へボランティアで行った高校生・大学生の話を直接聞く機会がありました。

彼ら、彼女たちに「ボランティアを通して感じたことは何か?」という問いに対し、「今日と同じ明日があるとは限らない。そう思ったら、遅刻もできないし、授業中に寝ている場合ではない。」と答えてくれました。当たり前のことが当たり前にできるということを普段は忘れがちですが、この非常に恵まれた環境の中で、勉強できるということに感謝し、また、それに対して自分は何をして社会貢献出来るかということを考えていかなければなりません。

数年前に亡くなったアップル社のスティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業式で行った有名なスピーチの一節に、「今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることを本当にやりたいか?」という言葉があります。人には誰でも最後の日が訪れます。その運命を逃れられた者はいません。そんな限られた時間の中でよりよく生きるには、時間を無駄にしてはいけないし、今日を最良の日にしようという努力が欠かせません。

勉強できるチャンスはみんな平等にあります。しかし、その結果は「努力精進」した者にこそ良い結果がもたらされます。努力を怠った者にはそれなりの結果しかありません。努力した者もそうでない者もすべて平等ではないのです。結果は公平にあるのです。原因があって結果がある。これを「縁起の理法」と言います。

「志を高く」持って、夢や目標を実現することにより、人生で何かを成し遂げることは大切です。その途上で、苦難困難な壁に突き当たることはよくあることです。そこで、出来ない理由を挙げればきりがありません。出来ない理由を並べるのではなく、出来る方法はないかと考えることが大切です。「失敗を怖れず、何事にもチャレンジ!」してみてください。成功の裏には数多くの失敗がつきものです。失敗から学んだ成功の種を見つけ、達成感や感動を自信に繋げていきましょう。

「努力は決して裏切らない」という言葉がありますが、「無限の可能性」を信じて、努力を怠らず夢を形に実現していってください。

「校長ブログ」の中で、折に触れて、書いているのが、「今日の磨きが、明日の輝きに繋がる!」と「努力・忍耐・継続・感謝・報恩」という言葉です。「何事も、努力を惜しまず、苦難困難な時を乗り越え、継続していれば、必ず成就するものである。努力は決して裏切らない。物事が成功した時には、そこに皆が支えてくれたお蔭と感謝の気持ちが生まれ、その恩返しをすることでまた頑張れる。」という意味です。

三十八期生の皆さんが、本校での三ヶ年の業を終え、これからの未来社会に巣立たれるにあたり、「社会が何をしてくれるかではなく、自分が社会に何が出来るか」ということを問い続けてください。皆さんには、未来を創造する力があります。皆さんの持てる若い力が、「より良い社会の担い手」として大いに期待されています。その自覚と未来を担う人間としての使命感を持って、輝かしい未来創造のために益々精進されることを心から祈念して、式辞と致します。

 

平成二十年三月

大阪府立東百舌鳥高等学校

校 長  牧 野 浩 二

 

カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30