第41回 入学式 式辞

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平成28年度 第41回 入学式 式辞

今年は4月に入ってから、本校プール横の「ヒガモ桜」やチューリップの色とりどりの花も満開になっていましたが、昨日の「春の嵐」で、満開の「ヒガモ桜」も花びらが歩道をピンク色の絨毯に変えてしまいました。まさしく「雨降って、地固まる」というように、新入生の門出をしっかり地固めてしてお祝いするかのように、今日は晴れてくれました。

この佳き日に、「子育てサポート」で、本校の生徒が大変お世話になっている「子育てネットみちくさ」の代表理事であられる小仲様をはじめ、「もずの会」、PTAご来賓の皆様のご臨席を賜り、第41回入学式を挙行することができますことは、学校にとりましても大変心強く喜ばしいことであり感謝に堪えません。高いところからではございますが、ご来賓の皆様方には厚く御礼申し上げます。

さて、新入生の皆さん、入学おめでとうございます。昨年、本校は創立40周年を迎えましたが、皆さんは41期生として、今まで先輩たちが築いてこられた伝統の上に立って、東百舌鳥高校のさらなる発展の新しい1歩を踏み出すという記念すべき歳に入学されました。

高校教育は、多様化、グローバル化、ICT化の方向で改革が進んでいます。これからの国際社会で通用する人材として、伝統や文化に対する理解はもとより、文化や習慣の違いを尊重する精神を育むとともに、コミュニケーション能力、問題発見・解決能力、論理的思考力や探究力を備えた人材を育成することが望まれています。

本校においても、生徒一人ひとりを大切にした特色ある取り組みや実績が評価され、昨年度には「パナソニック財団特別教育研究指定校」や「JAET(日本教育工業協会)学校情報化優良校指定」という指定を受けることが出来ました。教育環境として、ハード面では、すべての普通教室25教室に「電子黒板機能付き短焦点プロジェクター」が整備され、またIpadやIpadミニのタブレット端末も2クラス分が用意され、それらを活用した授業も展開されています。また、ソフト面では、生徒一人ひとりが本来持っている内なる力を最大限に引き出す学校をめざして、昨年秋の中教審に出された「アクティブラーニング」を取り入れ、「出来ないことが出来た」という「わかる喜び」や各々の「学ぶ意欲」を引出し、生徒全員の進路実現を目標に頑張っているところです。

さて、少し難しいお話をしましたが、41期生の皆さんが、これからの高校生活を送るにあたり、常に意識をして心掛けてほしいことが二つあります。一つ目に、「何事も感謝の気持ちを忘れずに」。二つ目は、「一歩を踏み出す勇気を持とう」ということです。

一つ目の「何事も感謝の気持ちを忘れずに」について。

毎年、春に行われる選抜高校野球大会での「選手宣誓」には感動を覚えます。今年の小豆島高校の樋本尚也主将は、選抜大会が始まった翌年に創部された自分たちの野球部が高校の統合により、来春から生まれ変わることを紹介し、「当たり前にある日常のありがたさを胸に、ぼくたちはグラウンドに立ちます」と決意を表明しました。また、夏の大会でも多くの歴史に残る宣誓があります。中でも、3年前の帯広大谷高校杉浦大斗主将の宣誓が今でも忘れることができません。

「宣誓 私たちは今、この甲子園球場に立てることに幸せを感じています。第95回を数える長い歴史の中でさまざまな困難を乗り越え、本当に多くの先輩方が前を向き、夢、感動、勇気を与えてくれました。それを私たちが継承し、また先輩方に負けないように決して諦めず、仲間を信じ、未来を信じ、今よりも一歩でも前進します。今生きていること、すべての命に生かされている重みをしっかりと受け止め、高校生らしく爽やかに、すがすがしいプレーをすることを誓います。」
 このように、一日一日が平凡な日々であっても、不自由なく送れることに感謝したいものです。そして、学業に専念できることは、この上ない幸せだと思います。この幸福感を高校生活の推進力として、学校生活を充実させ大きく飛躍することを期待しています。

二つ目に、「一歩を踏み出す勇気を持とう」について。

勉強にしてもクラブ活動にしても最初はつらいものです。しかし、それらはマラソンによく似ていて、最初はつらいけれども、やっていくうちにだんだん慣れてきて楽しくなってくるような面があります。これは会社などの仕事でも同じで、なんでも最初は難しいものです。「最初の一歩」「最初の一鍬(田畑をつくる作業の一歩)」がとても難しいことです。ですから、勉強に取り掛かろうとしても、なかなか最初の一歩を踏み出せないので、先延ばしにしたり、後回しにしたりすることがよくあります。この気持ちに打ち勝つには、最初は努力がいるけれども「勉強する習慣」を少しずつ確立していくことが大事です。まず、「最初の一歩を踏み出す勇気を持つ」ことが大切です。

チャンスは平等に与えられています。1日24時間という時間はすべての人に平等に与えられています。しかし、その時間をどう過ごすのかはその人自身の問題です。その結果、一生懸命努力した人にはその分の成果が表れ、努力しなかった人には、それなりの成果しか表れません。「チャンスは平等に与えられ、結果は公平に与えられるのです。」努力精進している人を周りは見逃しません。そいう人のところに実はビッグチャンスが訪れるのです。

サミュエル・スマイルズが著した『セルフ・ヘルプ(自助論)』という本には、努力は必ず報われると教えています。「天は自らを助く者を助く。」という格言の中に、すべてが包含されているように思います。自分自身を助けるというのは、よく自主自立して、他人の力に頼らないということです。自助の精神は、人間の才智が生まれてくるための根源です。そのことから推論すれば、自助の精神が具わった人が多ければ多いほど、その国、その社会は必ずや活力に満ち、強く盛んになるはずです。他人の援助を受けて成就したものは、その後衰退していくのが常です。

このように、これからの学校生活において、授業はもちろん生徒会活動やクラブ活動の中で、何事に対してもつねに感謝の気持ちを忘れないで、自助努力の精神で目標を高く掲げ、粘り強く挑戦し続けてもらいたいものです。

さて、保護者の皆さま、改めましてお子様のご入学を心よりお祝い申し上げます。今日まで限りない愛情を持って育ててこられ、時にはご心配やご苦労があったことと思います。お子様の高校生活が健康で有意義なものとなるよう教職員一同、教育に情熱を傾け邁進する覚悟でございます。私は、教育が人間を創ると信じている一人です。若い人たちに、夢とロマンと、精進、勇気の大切さを伝えていきたいと思っています。卒業までには、厳しいこと、つらいこともあるかと思います。そのような時、皆様方のあたたかいご支援ご指導が、何よりも生徒たちの励ましになると思います。生徒の皆さん一人ひとりが心身共に豊かに成長していくためにも、何卒ご支援を賜りご協力の程よろしくお願い致します。

 最後に、新入生の皆さんに次の言葉を紹介して結びにしたいと思います。

「学校という名の花壇に生徒という種をまき、絆という名の肥料をまく。するとそこには、友達という芽が出て、親友という葉がつき、友情という花が咲く。」

これは、以前にある生徒から教えてもらった言葉です。

新入生の皆さんが、この学校でたくさんの友情という花を咲かせ、自らも高い志を持って自助努力の精神を磨くことの出来る高校生活が送られることを心から期待して、式辞と致します。

平成28年4月8日

大阪府立東百舌鳥高等学校

                              校長 牧野 浩二

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