今日は、2時限目まで授業があり、そのあと終業式、大掃除HRを行いました。
終業式では、私の式辞のあと、生徒会執行部から来年の学校祭(体育の部)での応援席についての大事な連絡がありました。
それは,法律が変わったため、今までのような応援席を組むことができなくなったという内容です。
それは、やむを得ないことなので、皆さんの知恵を結集して、今まで以上に良い応援ができるようにアイデアを出してください。
そのあと、生徒指導部の福島先生から、冬休みの諸注意がありました。
平成27年度 2学期終業式 式辞
おはようございます。校長の牧野です。
今学期も、文化祭や修学旅行などの行事を通じて、皆さんの素晴らしいところをたくさん見せてもらいました。
今年は、「あほやねん!好きやねん!」というNHKの番組に、本校が2度も出演するということがありました。先日、その番組内で、次のようなコーナーがありました。
毎年、イギリスのチャリティー団体が、「世界寄付指数」と呼ばれる調査結果を発表しています。
これは、「1ヶ月の間に、どれだけ他人にお金や時間を使ったか?!」という調査で、人に対する温かさを表す指数として知られています。
その2014年版が驚きの結果となって、話題になっています。
世界135の国や地域の人たちに、「1ヶ月の間に、人助けをしましたか?」ということを聞いた結果、日本の順位は、何位だと思いますか?
何と、135の国や地域の中で、134番目だそうです。
どうですか?! 驚きの結果ですよね!
皆さんにも聞いてみたいと思いますが、「この1ヶ月の間に、他人に親切なことをしましたか?」
2010年から調査しているこの「世界寄付指数2014」の調査項目には、次の3つがあるようです。
①「人助け指数」過去1ヶ月に、見知らぬ人を助けたか?
②「寄付指数」過去1ヶ月に、慈善団体などに寄付を行ったか?
③「ボランティア指数」過去1ヶ月に、組織的なボランティア活動に時間を使ったか?
この3つを総合した結果でいうと、日本は、2014年では、90位だったということです。
ただ、「人助け指数」だけで言うと、135の国や地域の中で、134位だったそうです。
1位は、同率でアメリカとミャンマーだったそうです。
ミャンマーという国は、お坊さんを大切にする国です。
お布施をする習慣があり、それが「人助け指数」に表れている訳です。
アメリカは、キリスト教文化やフロンティア精神など、助け合いの精神が元々あります。
この「人助け指数」については、100に対して日本は26、アメリカは79もあるそうです。
この数値には、いろいろな背景があって、人助けをしたというアピールが得意な国と、あまりそうでないはない国、奥ゆかしい国、日本はそのような文化背景がありますよね。
まあ、しかし、東京オリンピック招致の時に、流行語になった「おもてなし」の文化と自慢する割には、数値が低いのは残念ですね。
また、チャリティーという文化が生活に密着しているかどうかという点においても、一概にその比較は難しい部分があります。そもそも文化や宗教という背景の違いがありますね。
そして、10月には、元サッカー日本代表、現FC岐阜監督のラモス瑠偉氏に来ていただいて、この体育館で講演をしていただきました。
「夢をあきらめない」というテーマで、サッカーを通じて得た体験談をユーモアも交えて、「努力することの大切さ」や「いつも感謝の気持ちを忘れないで、親孝行すること」を強調されました。
また、今年も、<ノーベル賞>医学生理学賞に大村智氏と、物理学賞に梶田隆章氏のお二人が授与されました。これで、日本のノーベル賞受賞者は24人になりました。
そのお二人の受賞会見では、そのコメントが名言の宝庫でもありました。
大村氏は、「私の仕事は微生物の力を借りているだけ。私が賞をもらっていいものか・・・」と謙虚に、そして「人生を支えてくれた共同研究者や亡き妻への感謝」「成功した人はあまり失敗のことを言わないが、その3倍も失敗している。人よりも何倍も失敗しているが、その中から成功が出てくる。」と語り、「人の役に立つことだけを考えてきた」そうです。
梶田氏は、「認められるまで、自分の道が正しいと思って頑張ってきた。」と語り、2002年に同じ物理学賞を受賞した小柴氏の背中を追い続け、師弟受賞を決め、「小柴先生のおかげで今回、ノーベル賞を受賞できた」と感謝の言葉を伝えられたそうです。
また、スポーツの世界でも、フィギアスケートの羽生結弦選手が、グランプリファイナル2015で、300点越えの世界最高得点をまた塗り替えたニュースが話題になりました。
記者会見では、「応援して下さる方がむしろ神様」と疲れを見せずに神対応を見せました。
サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の澤穂希選手の引退会見でも「心と身体が一致してトップレベルで戦うのが難しくなったと感じたから。人生最大の決断になったが、本当に最高のサッカー人生だった」「ここまで私がサッカーを続けられたのも、たくさんのファンの皆さんや応援してくださった方々、もちろん家族を始め、本当にたくさんの方々に支えられて今の自分があると思っている」と語っています。
このように、成功を成し遂げた人に共通しているところがあります。
それは、みなさん一様に、「支えてくれた人に感謝」をして、「人の役に立ちたい」という気持ちがあるということです。
先の2年生の石垣島修学旅行で、ちょっとした良い知らせがあります。
それは、最終日にホテルを出発する際に、忘れ物チェックをするため、いくつかの部屋を回りました。片付けが十分でない部屋もありましたが、ある部屋のベッドの枕元に小さな紙切れが置いてありました。
そこには、「いつも部屋をきれいにしていただき有難うございました。おかげで楽しい修学旅行になりました。」という内容のことが書かれてありました。
なんという心遣いでしょう。きっとその部屋を掃除に来られた方は、嬉しくなって、さらにきれいに掃除をされたことと想像できます。
こんなちょっとした感謝の言葉が嬉しいですね。感動しました。
ところで、今年は、本校が創立40周年を迎え、記念事業として、全普通教室に電子黒板機能付きのプロジェクターが設置され、会議室とマルティメディアルームにエアコンが設置され、アクティブラーニングルームとLLルームに机・いすが整備され、また、正門の校舎に懸垂幕架枠が設置されました。
これもひとえに、PTAと同窓会から多額のご支援を頂いて、教育環境整備が実現できたものです。
改めて感謝申し上げたいと思います。
そこで、こんなに恵まれた環境の中で、みなさんが勉強できることは、本当に幸せなことです。
それに応えるべく、感謝の気持ちを忘れないで、少しでも人の役に立てる人間に成長してほしいと切に願っています。
いつも言っていることですが、君たちには、「無限の可能性」があります。
そして、「ダイヤモンドの原石」を持っています。「玉、磨かざれば、光なし」というように、その原石を磨くか、そのままにしておくかは、君たち次第です。
それは、一人ひとりが実に、いろいろな個性を持ちながら、無限の可能性を持っていること。
そして、その可能性を引き出すことこそが先生の仕事であり使命であること。
だから、そのダイヤモンドの原石の「磨き方」は、いろいろな先生方が教えてくださるので、後は実際にそれを磨くのは、君たち自身なのです。
「磨き方」が良ければ、それだけ「輝き」は増し、足りなければ、いくらダイヤモンドの原石であっても、くすんだままなのです。「今日の磨きが、明日への輝きに繋がる」のです。
この非常に恵まれた環境の中で、勉強できるということに感謝し、また、それに対して自分は何をして社会貢献出来るかということを考えていかなければなりません。
つまりは、「感謝」と恩に報いるという「報恩」の精神をしっかり持ってほしいと思います。
「努力・忍耐・継続・感謝・報恩」の精神を忘れないでください。
今年一年を振り返って、自分は他に対して何をしてあげることが出来たかを想い起こし、来年こそは、自分に何が出来るかを考えていきましょう。
いよいよ、今年も終わりです。来年が皆にとって佳い歳でありますようにお祈りしています。