今日、13時から本校体育館で、8期生の入学式を行いました。
とても暖かい春の日に、280名の新入生を迎えることができ、うれしく思います。
代表生徒の力強い宣誓の後、私が次のような言葉を贈りました。
新入生の皆さん、皆さんは高校への進学を決めて、志望校を選び、選抜試験を受けました。
その結果が発表になるまで、どんな気持ちで過ごしてきましたか。
きっと不安と期待の入り交じった、落ち着かない日々を過ごしてきたのではないか、
特に今年度は、前期と後期、2回選抜がありましたので、なおさらだと思います。
合格発表の日、張り出された掲示の中に自分の受験番号を見つけて、飛び上がって喜んでいる人がいました。
うれしさの余りでしょうか、泣いている人もいました。
一人ひとりの感激ぶりがとても印象強く感じられる光景でした。
あの合格発表の日の感動と新鮮な気持ちをいつまでも持ち続け、
これからの3年間の緑風冠高校生としての生活を価値あるものにしていただきたいと思います。
そのために、2つお願いしたいことがあります。
まず1つは、「自分の可能性を幅広く探って欲しい」ということです。
皆さんは、「未見の我」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「未見の我」とは、皆さんがまだ理解していない自分自身のことを言います。
江戸時代幕末に、松下村塾を開校し、高杉晋作、桂小五郎、伊藤博文らを育てた吉田松陰は、塾生に対し、
「未だ見たことのなかった自分をめざしなさい。心は熱く、一生に一度くらい、本気でやってみなさい。
必ず達成します。運命を造りなさい。」
と叱咤激励しました。
また安積得也(あずみ とくや)という人が、こんな詩を書いています。
自分の中には 自分の知らない 自分がある
みんなの中には みんなの知らない みんながある
みんなえらい みんな貴い
みんなみんな 天の秘蔵っ子
皆さんも、「自分の力はこれくらい」、「自分は、これは不向き」と自分の可能性を自分で狭めてはいけません。
なぜなら、人は、その人が可能と思うこと以上のことは実現できないからです。
皆さんにとって、高校3年間は自分探しの旅です。
緑風冠の先輩たちは、「あれかこれか」ではなく「あれもこれも」に取り組んできました。
皆さんも、勉強や部活動、学校行事、生徒会活動などに積極的に全力で取り組むなかで、
「未見の我」を発見し、自己の可能性を拡大していってほしいと願っています。
次に、「出会いを大切にしてほしい」ということです。
こうして両手をたたくと、ポンといういい音が出ます。右手と左手が出会って初めて音がします。
右手だけでも、左手だけでも、またすれ違っても、音は出ません。
今こうして8期生は出会いました。この出会いを大切にし、これから仲間になっていってください。
ただ、自然と仲間になるのではありません。みんなで仲間として育っていくのです。
でも人とうまく付き合うということは、結構難しいものです。
初めて出会って、これからともに緑風冠で生活を始める皆さんは、どうすればいいでしょうか。
それは相手にしてほしいと思うことを、自分がまず相手にしてあげることです。
朝「おはよう」と声をかけてもらえれば気持ちがいいですね。「ありがとう」と言ってもらえればうれしいものです。
「和顔愛語(わげんあいご)」という言葉があります。
「わげん」とは、ニコニコとした明るい顔です。
「あいご」とは、「ありがとう」とか「すみません」というような思いやりのある優しい言葉です。
合格発表や合格者登校のときに、先輩が笑顔で、
「おはようございます。」「合格おめでとうございます。」と皆さんを迎えてくれたのを覚えていますか。
これからは、皆さんも実践してください。
集団は、他の人と競い合うためにあるのではありません。互いに高め合うためにあるのです。
いい集団は、そこに所属する一人ひとりの力を伸ばします。
個人のために集団があり、いい集団を作るために、個人の力が必要となります。
緑風冠高校は、互いに協力し合い、高め合うことで、一人ひとりの力を伸ばせる「いい集団」でありたいと願っています。
緑風冠高校の校訓は「英知と至誠」です。
「英知」とは「すぐれた知恵。深く物事の道理に通じる才知。」、
「至誠」とは「この上なく誠実なこと。まごころ。」ということです。
皆さんも、自らの努力で「英知」を深め、「至誠」を持って、お互いを高め合ってください。
続いて、PTA会長からご祝辞をいただき、式は終了しました。
その後、校歌の披露、8期生担任団の紹介を行いました。
生徒たちは、式終了後、クラス写真を撮りました。
明日は、先輩との対面式やクラブ紹介があります。早く学校に慣れて、有意義な高校生活を送ってください。